市中央図書館 サービス向上策が奏功 予約数に大幅な伸び
11月の第一金曜日(今年は4日)は子どもたちの読書の啓発などを目的に制定された「はまっ子読書の日」。「活字離れ」が叫ばれて久しい昨今だが、その現状や対応について、市中央図書館に話を聞いた。
市中央図書館サービス課では、「来館者と接していると、読書サービスへのニーズはむしろ高まっているように思います」と印象を話す。同館ではここ数年で貸出冊数は横ばい。しかし、顕著な伸びを見せているのが、予約数だ。平成17年度に取り入れたインターネット予約システムは、冊数制限を設けた中でも15万6287冊(17年度)から23万476冊(21年度)と圧倒的に数字を伸ばしている。「不況という影響もあり、書店で買わずに図書館で借りるという人が多いようです。”本を読みたい”という欲求は下がっていないという感じを受けます」。
「カウンターの垣根越えて」
市では平成18年に『横浜市子ども読書推進計画(はまっこ読書プラン)』を策定。子どもの読書を推進するための様々な取り組みを行ってきた。
その一環として、同館サービス課では、特に子育て世代への働きかけを積極的に行ってきた。地区センターや幼稚園へ出向いた読み聞かせ講座や、市民の読み聞かせボランティアの育成にも力を入れている。「未就学児童や小学校児童の貸出し冊数は毎年増えています。土曜日の講座にはお父さんが参加する親子も多くなりました」と、その成果を実感しているようだ。
また「最近の利用者の特徴として専門的な内容を調べに来る方が増えレファレンスカウンターでの受付数はここ数年で1・5倍近くに増えました」。それに対応する形でレファレンスカウンターへ図書館司書を配置し細かな対応を行っている。
その他の取り組みとして、市内21箇所を巡回している移動図書館はまかぜ号の巡回地をみなとみらいにも設置。土地柄に合わせ、ビジネス関連図書コーナーも設ける工夫も凝らされている。「これまでカウンター越しでのやり取りだったのが、ここ数年で利用者も図書館もカウンターという垣根を相互に越えて協力できる態勢になりました。市民ボランティアや地域の方の協力なしには、今の図書館は成り立ちません」と話す。
不登校児童への情報提供が課題
しかし課題も残る。「特に横浜市が抱える多数の不登校児童生徒に対して地域にある図書館が、社会と関われる情報の提供をその子どもたちに届くような形で進めていくのが課題と言えると思います」と話した。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>