桜やバラなど職人が作ったと見紛うばかりに色鮮やかで美しい和菓子の数々―実はこれ、市立元街小学校の児童がデザインし、初めて作ったもの。
和菓子作りに挑戦したのは同校3年2組の児童たち。同クラスでは、昨年4月から総合学習の授業で街の歴史や由来を探る「ひまわりたんてい団」を結成。その中で石川町で創業120年以上の歴史を誇る和菓子屋「金米堂」と出会い、その歴史や種類の豊富さを聞くにつれ、児童たちは和菓子に夢中になっていった。
児童らは「金米堂の団子は1本150円。コンビニでは1本50円なのに、なぜみんな金米堂で買うのか」「120年も続く理由は」など疑問を出し合い、答えを探るため街で500人以上にアンケートを行ったり、和菓子作りを見学した。その結果、材料や作り方、季節感などを大切にした同店のこだわりが人気の理由と考え、「自分たちも和菓子作りに挑戦したい」と金米堂に協力を依頼した。
オリジナルの和菓子作りにあたり地方の銘菓も調べ、「その土地をモチーフにすることが大事」と、今回は「元町の春」をイメージ。デザインを何度もやり直しながら山手の桜や港の見える丘公園のバラ、赤い靴や氷川丸など、「大人では考え付かないような素晴らしいデザインの数々」(金米堂の金子伸司さん)を考案した。
当日は、金子さんの指導のもと和菓子の代表的なお菓子、「ねりきり」に挑戦。初めて触る白あんや型抜きの道具に目を輝かせながら、オリジナルの和菓子を作り上げた。児童の一人、金子まなみさんは「デザインするだけでも大変だけど、作るのはもっと大変だった。でもすごく美味しかった」と笑顔で話した。
担任の菅谷泰尚教諭は「子どもたちが自分たちで考え、本当に熱心に取り組んでくれた。今年一年学んできたことは、きっと彼らの大きな宝物になるのでは」と話していた。
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