市教育委員会が昨年3月に発表し、2013年4月から統合する方針でまとまった市立富士見中学校(中区山田町)と市立吉田中学校(同羽衣町)。地元の代表者からなる「富士見中学校・吉田中学校 小規模校対策検討委員会」は全4回の検討内容をまとめた意見書を、2月17日に市教育長に提出した。
この日、同検討委の小島弘之委員長と安藤政彦副委員長が教育長室を訪れ、山田巧市教育長に「富士見中学校・吉田中学校の小規模校対策に関する意見書」を提出した。意見書には統合時期、通学区域や要望などのほか、4回目の検討委員会での新たな決定事項である統合校名「横浜吉田中学校」も盛り込まれた。
安藤副委員長は同委員会での意見をまとめるまでの曲折に触れ、「両校の保護者、地域の間では意識の違いが大分あった。これからは良い形で統合を迎えられるようにしていきたい」とし、今後の両校の交流事業などを進める統合準備委員会の設置も求めた。
今後は、同意見書を踏まえ、市教委、市会の議決を経て正式に統合内容が決定する。
新校名にしこりも
市教委の昨年3月の両校の統合方針の発表以降、統合そのものの是非を含め、保護者や地域で議論が混沌としていた今回の問題。同検討委員会の検討内容で最後の課題となったのが、統合校の校名。1月上旬には両校の生徒、保護者、地域住民などを対象に統合校の校名に関するアンケートを実施。その結果は応募総数958票のうち、「吉田」が718票、「富士見」が111票だった。
アンケート結果をふまえ、2月10日に行われた第4回の検討委員会で、市教委が「吉田」という校名を提案。しかし、「富士見という名前が残せないのであればせめて、新しい学校をスタートするという気持ちを持つために既存の名前ではない校名を」という富士見中PTAからの要望も強く、その日の出席者による無記名投票が実施された。その結果、「横浜吉田」9票、「吉田」8票、白票1票となり、新校名「横浜吉田」という結論でまとめた。市教委によると、事前アンケート結果とは違う統合校名は異例だという。
同検討委員会は意見書の提出をもって解散したが、新校名に対して「事前アンケート結果で圧倒的な票数を得ていた『吉田』という案と違う結果は投票した人たちに説明がつかない」などの反対意見もあり、しこりを残す形となった。
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