東日本大震災の発生により、市の津波対策は根本から見直しを迫られることになった。
従来の防災計画では「東海地震が発生した際に横浜港に1メートル未満の津波が到達」と想定。しかし昨年8月、市が作成・公表した「津波からの避難に関するガイドライン」では、1703年に発生した元禄地震をモデルとして、浸水区域なども大幅に見直した。ガイドラインは津波避難の基本的な考え方をまとめたもので、区役所や消防署などで配布されている。
さらに神奈川県が最大規模の津波を生じる可能性がある地震として1605年の慶長地震をモデルにガイドラインの見直しを進めていることから、県の浸水予測が成案となる3月末に合わせて、ガイドラインの修正を行う予定だ。
津波の到達時間が短く、遠くに避難できない場合に避難できる「津波避難施設」の指定も急ピッチで進む。
市は昨年9月、山下公園、中華街、横浜駅付近のホテルなど民間15施設と浸水予測区域付近の市立学校、市営住宅など公共40施設、合わせて55施設の指定を発表。「今後は慶長型地震の浸水予測区域を踏まえ、できるだけ指定施設を拡充する」方針だ。
また「津波警報伝達システム」も整備もする。これは巨大地震により津波の発生が予想される場合、浸水が予測される区域に対して屋外スピーカーで避難を呼びかけるもの。気象庁から津波警報が発表された場合、自動的に避難勧告や指示などの緊急情報が放送される仕組みだ。
特に観光客が多いみなとみらい地区などが「緊急性、優先性が高い」として、今年度は沿岸6区10カ所にスピーカーを設置した。「元禄型」の浸水予測区域全体をカバーするため、2012年度も約90カ所に整備を進める方針だ。
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