中区・西区版 掲載号:2012年4月12日号
  • googleplus
  • LINE

国際感覚豊かな二人が横浜の顔に 「観光親善大使」に中区在住 今山さん、劉さん

社会

新しい感覚で魅力発信  今山麻美さん  28歳

▼「選ばれた瞬間は『私で大丈夫?』と思いましたが、今はこのチャンスを思いっきり楽しんでやろうと思っています」。158センチの小さな体だが、簡潔、明瞭な受け答えや豊かな表情から秘めたエネルギーが感じられる。横浜観光の「顔」という大役にも気後れするところは見られない。

▼中区で生まれ育ち、小学校から大学まで横浜で過ごした。航空貨物を取り扱う会社に就職し海外とのやりとりが増えたことで「英語を学んで世界とつながりたい」と決意。25歳でカナダへ留学した。初めて異国で過ごした1年9ヵ月は、語学以上に学ぶこと、考えることの多い時間だったようだ。「国や宗教、哲学について若いクラスメートたちが自分の考えを持ち、それを堂々と表現している姿にショックを受けました。自分の中途半端さに気づかされ悔しさばかりが募りました」。自分の人生を自分の足で歩きたい―。その想いが今回の大使への応募にもつながった。「応募そのものが自分にとって挑戦でした。小さな一歩のつもりが大きな飛躍のきっかけになりそうです」。

▼カナダ時代には現地で観光ガイドを務めたこともあり、選考会では「新しい感覚で横浜の魅力を伝えたい」とアピール。海外生活を経たからこそ、気づいた横浜の魅力も多いという。「みなとみらいのような新しい街だけでなく、横浜橋通商店街など下町の顔もある。何よりこんなに空が広い都会ってほかにないんじゃないですか」。横浜を世界に発信する役割に期待が集まる。

▼現在は都内で企業の社長秘書として働く。会社員との二足のわらじを履くことになるが「周りはみんな応援してくれています。あとは自分次第ですね」と笑う。かつてない経験の連続になるであろうこの1年。それをどう活かすのか、今はまだ、はっきりと想像することはできない。「これからも自分がやっていることに対して誇りを持てるような生き方がしたい」ときっぱり。そして、とはにかんだような笑顔を浮かべながら続けた。「それを子どもに伝えられるような母親になれたらいいですね」。

日中の架け橋目ざす  劉慧さん  22歳

▼10年目を迎えた大使の歴史で、3人目となる中国籍市民の就任となった。「自分の個性を活かしながら、横浜のPRという役目を果たしたい。多様な魅力を伝えていけたら」と流暢な日本語で抱負を語る。選考会でも提案した、ウェブ等を活かした情報発信にも積極的に取り組みたい、という。

▼中国アモイで育ち、10歳の時に中華街で食材を扱う会社を営む両親のもとへ。「憧れの国だった」という日本での生活が始まった。しかし日本での暮らしが長くなるにつれて「自分は中国人でも日本人でもない、根無し草だという感覚が常にありました」。転機は昨年3月の北京留学。震災の直後でもあり、多くの人が日本を心配していた。と同時に「中国と日本、両方の良さを持っているあなたがうらやましい」と声をかけられた。「日本から来たからこそ認めてもらえた。コンプレックスだと思っていた部分が実は武器だと気づいたんです」。帰国後考えたのは、自分を受け入れてくれた横浜に恩返しがしたい、ということ。昨年末に大使の募集を知ると、すぐさま申し込んだ。「後で聞いて分かったのですが私が最初の応募だったそうです」と笑う。

▼趣味はジョギング。自宅から近い山下公園は特にお気に入りの場所だが、大使就任後はその見方が変わってきた。「山下公園が関東大震災のがれきを埋め立てて造られたことを最近知りました。表面の美しさ、華やかさだけでない、昔から受け継がれてきた、人の想いなども伝えていきたい」。大きな瞳でまっすぐ前を見据える。

▼就職活動真っ最中の大学4年生。「日中の架け橋となれるような仕事に就きたい」と奔走中だ。「架け橋に」という言葉を口にできるようになったのも最近のことだという。「私にできることは限られている」との思いが強かったからだが、それも少しずつ変わっている。「まずは私の周りの人を幸せにしたい。そうしたら私を通して中国を、日本を好きになってくれる人が増えると思います」。今は信じられる。その輪は、やがては日中の大きな絆となることを。
 

今山麻美さん
今山麻美さん
劉慧さん
劉慧さん

中区・西区版のローカルニュース最新6件

中区・西区版の関連リンク

あっとほーむデスク

中区・西区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

銭湯の歴史を読み解く

企画展

銭湯の歴史を読み解く

開港資料館で31日から

1月31日~4月22日

中区・西区版のイベント一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2018年2月1日号

お問い合わせ

外部リンク