5月31日で開館15周年を迎えた横浜みなとみらいホールで総支配人を務める 中村 牧さん 港北区在住 53歳
女将役でホールに新風を
○…「人が好きで、子どもが好きで、音楽が好き。それが私の原点」。総支配人という堅い肩書にとらわれない情熱的な語り口と満面の笑顔が印象的だ。昨年8月に横浜みなとみらいホール初の女性総支配人に就任。1998年のホール開館から携わり、その後2005年から昨年まで磯子区の区民文化センター「杉田劇場」で副館長、館長を務めた。7年ぶりのホールは「開館から15年が経って大人になった印象。成熟してきた一方で、更なる魅力を届けられるよう新しい風が入ってきてもいいのかな」
○…総支配人の朝は事務室の花の水やりから。スタッフにお茶を入れ、一人ひとり声を掛ける。「場を和ませるのが私の仕事。風通しをよくして、自由に意見を交わせる場にしたい」。関係者には直筆の礼状やクリスマスカードを贈る心配りで「まるで旅館の女将みたいでしょ」と笑う。その気配りと行動力でいつの間にか周りが引き込まれる。
○…3歳からピアノを始め、横浜国大教育学部音楽科を卒業。卒業後は音楽の教員として子どもたちと向き合い、98年にホールを管轄する横浜市芸術文化振興財団に入った。杉田劇場で過ごした7年間について「あの時間があったから今の私がある。地元の人たちと朗読劇やミュージカル作ったり、毎日が新鮮で楽しかった」と振り返る。その時に得た教訓は「文化は日常にある」ということ。世界一流の芸術文化を伝えるのだけが公共文化施設の役割ではなく、市民と一緒に作り上げる日常の中から文化が育つと学んだ。
○…これからのホールの目標は「子どもとアジア」。子どもたちに本物の音楽に触れる機会を提供しながら、新しい試みとして、成長著しいアジアの世界的なアーティストの演奏会や交流を深めていきたいという。休日もない忙しさだが、「音楽は永遠のお友達。だからこの仕事は本当に天職よね」。その情熱でホールに新しい風を吹き込む。
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