野毛のジャズ喫茶「ちぐさ」がこのほど「Chigusa Records」を設立し、その中心事業として優秀な新人を発掘・表彰する「ちぐさ賞」を制定すると発表した。第1回の受賞者には岩手県盛岡市の歌手、金本麻里さん(34)が選ばれた。
ジャズ専門レーベルの設立及び同賞の制定は、今年がちぐさの故オーナー、吉田衛さんの生誕100周年、同店開業80周年を記念して実施された。
”おやじ”の遺志継ぐ
日本にまだジャズの文化が乏しかった1933(昭和8)年に吉田さんが開業した日本最古のジャズ喫茶「ちぐさ」。若き日の穐吉敏子さんや日野皓正さんなど多くのミュージシャンが足繁く通い、吉田さんは”おやじ”と慕われていた。
今回のちぐさ賞は、「若きミュージシャンを育てたい」という吉田さんの想いを継承するもの。吉田さん亡き後、同店は2007年に一度閉店したが、店を愛するジャズ関係者や地域住民らが「ちぐさ会」を結成し、12年3月に当時のスピーカーや調度品、レコード等を戻して店を復活させた。
同店運営を手伝う藤澤智晴さんは「この賞の設立で、おやじがやりたかったことに少しでも近づけたかな。これからも遺志を受け継ぎ、野毛からジャズの文化を広げていきたい」と話した。
金本さんは盛岡を中心に活動。豊かな声量やナチュラルな歌唱力で、日本を代表するジャズピアニスト、穐吉敏子さんからも”お墨付き”を得た実力者。今回の受賞の副賞として、来年3月の発売を目指してアナログレコード及びCDが制作される。
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