中区本牧を拠点に活動するサッカーチーム「YSCC」(横浜スポーツ&カルチャークラブ)が、Jリーグで来季から新設されるJ3に参入することが11月19日に決まった。創設28年目を迎え、「地域は、ファミリー」を合言葉に地域密着の活動を続けてきたクラブがJの大舞台に船出する。
J3参入決定の知らせはJリーグの大東和美チェアマンから電話で伝えられた。当日都内で行われたJリーグの理事会は、YSCCの参入を満場一致で承認。その吉報を本牧にある事務局で受けた同クラブの吉野次郎理事長=写真中央=は、「ここまで歩んでこられたのは本当に多くの方の支援があってこそ。恩返しの想いを込め、今後もスポーツを通じた地域社会の発展、人々の幸せに貢献してきたい」と喜びを語った。
当日は、クラブのサポータークラブ名誉会長を務める三上章彦中区長も駆けつけ、吉野理事長やキャプテンの服部大樹選手とともにクラブの歴史に残る1日を祝った。
地域に夢と希望を
Jリーグ設立の7年前、1986年に「住民と深くつながるスポーツクラブを通じた地域文化の発展」を目指し創設されたYSCC。02年にNPO法人化し、サッカー以外にもバドミントンやテニス、男女混合バスケットボールなど、総合型地域スポーツクラブとして、あらゆる世代の人が参加。現在クラブ会員は約900人にのぼる。また、横浜サッカー協会・少年委員会や関東クラブユースサッカー連盟などの事務局として若手選手育成にも貢献する。
その中で、サッカーのトップチームは05年に関東社会人リーグ1部に昇格、そして昨年からはアマチュアの最高峰JFLの舞台で戦ってきた。選手のほとんどが昼間は会社員として働き、夜間に練習を重ねる。専用グラウンドを確保できていないため、練習は近隣中学校の校庭やYC&ACを利用。J3参入にはグラウンド確保も要件の一つのため、喫緊の課題となる。
そのほか資金面などでも課題は多いが、それでもクラブがJ3を目指したのは「一人でも多くの地域の子どもたちに夢や希望を与えたい」という想い。吉野理事長は「小さい頃からプロのサッカー選手を目指し、本牧や横浜から世界に羽ばたく。そんな道筋をこの地に作ってあげたかった」と語る。
来年3月に開幕するJ3。子どもたちの期待を背に、YSCCの新たな挑戦が始まる。
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