中区本郷町「海老名畳店」の店主、吉野裕一さん(48)=人物風土記で紹介=がこのほど、市立大鳥小学校に畳の表面に縫い付けるござ「畳表」28畳分を寄贈した。その畳表を使い1月27日から3日間、吉野さんをはじめ全国から集まった畳職人有志10人が、児童の前で畳替えを行った。
吉野さんは代々続く老舗畳店の4代目で、同校の卒業生。10年程前、吉野さんの2人の子どもが同校に通っていた際にPTA会長を務め、その当時にも畳を寄贈したことがある。吉野さんは友人で後任の笹原延介前会長から「最近学校の畳が傷んでいると聞いて、2回目の寄付を決めた」という。
今回贈られた畳表は、本格的な和室に使用される熊本県産の高級品。校内の多目的ルームの28畳全てを張り替えるため、吉野さんが所属する畳職人のネットワーク「畳屋道場」のメンバーに協力を呼び掛け、北は岩手、南は鹿児島から計9人が当日駆け付けた。
張り替えはほとんどが手作業なため、1枚1時間以上かかる。作業は児童たちに公開され、クラスごとに全校生徒約520人が見学に訪れた。子どもたちは部屋に入ると「良い匂い」と声を揃え、畳用の包丁や針、長い定規などを使いながら目の前で披露される職人技に、珍しそうに見入っていた。
同校の藤原雅二校長は「色も香りも素晴らしく、本当にありがたい。授業やお楽しみ会に使う部屋ですが、今後は保護者や地域の方にも使って頂く機会を増やせたら」と語っていた。
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