中区・西区版 掲載号:2014年7月24日号
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自主制作映画「さなぎ」を野毛地区センターで上映する 三浦 淳子さん 港北区在住 53歳

8ミリに魅せられた人生

 ○…ドキュメンタリー映画監督として作品の撮影から編集、配給、宣伝までほぼ全てを独力で行う。興味あるテーマのために対象を見つけて客観的に撮るのではなく、自分の心に響いたものを撮影、自らの作風を「私的ドキュメンタリー」と呼ぶ。その記録は長いもので10年を超えるものも。「一般論ではなく、私が見たものを伝えるのが私のやり方。シナリオを作らず、自然の流れの中の偶然の出会いを大切にしたい」と真っ直ぐな瞳で語る。

 ○…港北区で生まれ育つ。小学校では内向的だった少女が映画撮影に興味を持ったのは、フェリス女学院高校時代に観た黒澤明の「白痴」。ドストエフスキーの作品を黒沢監督が独特の感性で作り上げた世界観を観て劇映画に夢中になった。「私も自分の想いや何かを表現できるようになりたい」。模索の旅が始まった。早稲田大学時代は演劇部に所属。卒業後、劇団転形劇場を経て、広告代理店に勤務。仕事をしながら多摩美術大学に夜間通い、8ミリカメラと出会う。学校の課題提出用に撮影した祖父の日常から偶然知った過去を追った「トマトを植えた日」が92年イメージフォーラムフェスティバルで大賞を受賞。自分なりのメディアを手にした瞬間だった。

 ○…42歳で代理店を早期退職し監督業に本格挑戦。タイの山岳民族の子どもたちを追った「空とコムローイ」は京都国際子ども映画祭長編部門でグランプリを受賞。数々の作品を手掛ける中で自主制作ならではの収支の難しさも抱えるが、「規制や枠にとらわれるのは嫌」と自主のドキュメンタリーにこだわり続ける。

 ○…作品を撮り続けて24年。今でも初めて自分の作品がスクリーンで上映された時の感動が忘れられない。「あれが今の誤った道への甘い罠だったのかな」といたずらっぽく笑う。今も1、2本の作品を撮影中。「この道にはまってしまった者として、行けるとこまで歩んでみたい」

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