元宝塚歌劇団員でオルケスタYOKOHAMAのコンサートにダンサーとして出演する 叶 千穂さん 中区出身 48歳
宝塚からタンゴの世界へ
○…「オルケスタYOKOHAMAのタンゴを初めて聞いたとき、『これが本当のタンゴだったんだ』と衝撃を受けました」。柔らかな語り口ながら、音楽の話になると身振り手振りを交えて熱く語る。5月5日のコンサートにダンサーとして出演。宝塚歌劇団73期生で愛称は「ふみちゃん」。同期に天海祐希さんらが在籍し、28歳まで娘役として数々の公演に出演した。
○…中区で生まれ育つ。3歳からピアノやバレエを習っていた音楽好きな少女が中学時代に宝塚に出会い、衣装やセットの豪華さ、そして男役、娘役になりきる総合芸術に魅了された。市立金沢高等学校卒業後に宝塚音楽学校を受験。「まさか受かると思っていなくて合格発表に一人で行ったら、そのまま入学手続きになって慌てちゃいました」と微笑む。2年間の学校生活では歌や踊りのレッスンだけでなく、毎朝の清掃では床のタイルの溝の埃まで取りきる徹底さに「何事にも全力で取り組む姿勢や周囲への尊敬など、舞台人としてだけでなく、人として必要なことを全て教えて頂きました」と話す。20歳で初舞台を踏み、93年の「うたかたの恋」ではマリー・ヴェッツェラ男爵夫人を演じ、団員のまとめ役もこなした。
○…28歳で宝塚退団後、ニューヨークなどで改めて音楽やダンスを学び、地元中区を中心に「女性が健康で美しく輝くための」カルチャー教室などを開催。そんな時に偶然出会ったオルケスタYOKOHAMAのタンゴに感激し、楽団のダンス演出や振付を担当するように。「楽団のCDを宝塚のみんなに聞かせたいくらい。ここで踊れることは本当に光栄です」と今回の公演の練習にも熱が入る。
○…5年前から青葉区で暮らす。高校生の2人の娘も音楽好きで一緒に公演にも出演する。「私の活動が少しでも皆さんに幸せを届けられれば」。宝塚で学んだ「感謝」と「思いやり」を胸に、今日もスタジオの清掃から1日が始まる。
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