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中区・西区版 公開:2015年5月28日 エリアトップへ

育児・介護 「ダブルケア」を地域で支援 横浜でプロジェクト始動

社会

公開:2015年5月28日

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中区で行われた座談会の様子
中区で行われた座談会の様子

 育児と介護という2つの「ケア」を同時に求められる「ダブルケア」の状態に悩む人をサポートするため、西区などの市民グループと横浜国立大学大学院の相馬直子准教授らが中心となり、居場所づくりやサポーター制度の創設に向けたプロジェクトが進められている。

 子育てと親の介護、孫育てと配偶者の介護などがダブルケアの主な例。社会全体の高齢化や晩婚化などが背景にあり、精神・体力面の辛さや、経済的負担など問題は多岐に渡る。

 相馬准教授らが2012年から14年の間に子育て中の女性約1900人を対象に行った調査では、ダブルケアをこれまでに経験、または数年先に直面すると考えられる人が約4割だったという。相馬准教授は、「団塊の世代が75歳以上になる『2025年』、さらに団塊ジュニアが65歳以上になる『2040年』には一層深刻になる」と警鐘を鳴らす。また「行政では子育てと介護はそれぞれ別のこととして扱われており、ダブルケア人口は把握されていない」と指摘。社会的な認知と子育て・介護が連携した対策が求められている。

「孤立させない」

 プロジェクトチームである「ダブルケアサポート横浜」は、西区を拠点に子育て支援を行う「NPO法人シャーロックホームズ」と港南区でコミュニティカフェを運営する「てとてと」「さわやか港南」で出会ったメンバーを中心に構成。同プロジェクトリーダーの植木美子(よしこ)さん(42)も、子育てと義父母の介護というダブルケアに悩んだ1人。「自分だけでなくダブルケアでつぶれてしまいそうな友人が周りにもいた。孤立させないよう、どうにか助けることができないかとずっと考えていた」と明かす。

 5月24日に中区で行われた座談会には相馬准教授のほか、当事者も多数出席。中区本牧元町在住の井上惠さん(38)は3人(10歳、5歳、1歳6カ月)の子育てをしながら、車椅子で生活する実母の介護を7年ほど前から続けている。「『日勤続きの夜勤』のような毎日。誰かに助けてもらうという意識がなく、全て自分1人で抱え込んでいた」と話した。

調査と資金協力呼びかけ

 5月からはダブルケアの実態調査とプロジェクトの資金調達を開始。今後は当事者が思いや悩みを共有できる居場所づくり、サポーターの育成、ハンドブックの作成などに取り組む。

 また活動資金はネット上で資金提供を募る「クラウドファンディング」を利用。6月9日までに68万円が集まらないとプロジェクトを進めることができないといい、現金寄付なども受付けている。NPO法人シャーロックホームズの東恵子理事長は「乳幼児期だけでなく、子どもの思春期と介護が重なる場合もある。自分にも起こり得る問題として、より多くの人に現状を知ってもらいたい」と、広く協力を呼びかけている。

 詳しくはhttp://yokohama.localgood.jp/project_theme/doublecare/【電話】045・324・5033。
 

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