中区野毛の金久保商店にキムチを卸している「(有)グリーンフーズあつみ」=川崎市川崎区=の渥美和幸社長(45)は、漬物製造時にでる白菜の外側やカブの葉などの不要部分を、3年ほど前から無償で野毛山動物園に提供している。
配送ついでに週3日、1回あたりの届ける量は、多い時で200kgにもおよぶ。提供しているのは、白菜やカブの葉を中心に、時にはレタスもある。これらの野菜はクマ、マントヒヒ、チンパンジー、ダチョウ、クジャクなどに与えられているという。
動物園飼料担当の池永美子さんによると、クマは朝・昼の計8kg、ダチョウは1日3回の計7kgを必要とする。そのため「野菜の提供は本当にありがたい」と話していた。
「趣味ですから」
不要野菜とは言っても、無償で週3回配送するには手間と時間がかかる。それも苦にしない渥美さんは「趣味ですからね」と笑った。
「白菜をつくっている農家が80歳を超えた女性なんです。それを知れば、不要な部分でも捨てちゃうのがもったいない」。以前からその活用法を思案していた渥美さん。金久保商店の伝手で野毛山動物園への紹介を得たという。
いつも通り野菜を届けた10月1日には、初めて野菜を食べる動物を見学した。「うれしいな」とつぶやきながらも、ダチョウの旺盛な食欲に驚いていた。
届けている野菜は、車の容量もあって不要野菜のごく一部。その他は、廃棄せざるを得ないという。渥美さんは「新たな使い道など何かアイデアがないものか、あったら教えて欲しい」と話していた。
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