中区はこのほど、地域づくりの方向性を示す「地域福祉保健計画」第3期素案をまとめ、来年1月8日まで区民からの意見を募集している。西区では、10月に同計画素案を作成し、来年3月までの策定に向け詰めの作業を行っている。
地域福祉保健計画は、社会福祉法に基づくもので5年ごとに全市および各区で策定。来年3月までにまとめる計画は、第3期(2016〜20年度)にあたる。
「見守り力」「健康づくり」の2本柱
中区は、素案で2つの柱を掲げた。1つは地域の「見守り力」を高めること。もう1つはまちぐるみで「健康づくり」を目指すというもの。福祉保健課では、地域の”えん”(縁・円・援)を重視する「見守り力」と、健康寿命の延長や健やかな心につながる「健康づくり」は、区民が取り組みやすく、またモチベーション向上につながる目標設定だと説明する。
第1期は行政主導で計画づくりが行われた反省から、第2期では地域の視点が重視された。そのため、まちづくりについて地域住民主導による議論、またアイデア出しなどが活性化してきたという。そのような状況を踏まえ第3期では、地域住民の自助・共助によるまちづくりを進め、行政はそのサポートの役割を果たし、それらの取り組みが地域自治の推進につながることを期待している。
実行後の評価については、地域イベントの開催回数など数的な指標だけでなく、自発的な発意による住民参画の過程を重視するとしている。
福祉保健課では、この計画について「地域のリーダー層が内容を理解し、ほかの方に伝えるマニュアルとしても使ってほしい」と話している。
素案は、区役所やケアプラザ、地区センターなどの公共施設に配布するほか、中区のホームページからも閲覧可能。
西区「地域での支えあい」
西区では第3期計画の素案を10月下旬に作成。その後、区民からの意見募集を11月中旬まで行い、現在は原案策定の詰めの作業に入っている。
計画は「区全体計画」と「地区別計画」の2つからなり、3期計画の策定にあたっての柱は「地域での支えあい」。そして、地域住民自らが街の課題解決に取り組む「主体性」に重点を置いている。2期から取り入れた区内6地区それぞれの特性・課題に応じた「地区別計画」を引き継ぎ、更なる充実をめざして地域で話し合いも続けられてきた。
区全体計画では「住み慣れたまちで誰もがにこやかに、しあわせに、いきいきとくらし続けること」をめざし、「みんながともに支えあうまち」づくりを基本理念に掲げる。
2期で課題となった各分野で活動する団体との取組み推進については「障害」「高齢」「子ども」「ボランティア」のテーマ別で関係団体と課題の洗い出しを行った。その中から一緒に取り組む事業を「にこまちトライプロジェクト」と総称し、今年度から段階的に実施している。
また、新たな地域福祉の担い手育成のほか、高齢化社会に対応するため地域の支援体制づくりを進める「地域包括ケアシステム」の構築にも注目。介護や見守りサービスのほか、自助・共助・公助をつなぎあわせ、住民同士の支えあいを重要視する。
原案は1月下旬までにほぼ策定し、2月の「にこまちフォーラム」で発表される予定となっている。
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