西区の大久保智子区長は昨年12月23日に滋賀県彦根市を訪れ、大久保貴市長と友好交流に関する覚書を交わした。西区がこのような覚書を締結するのは初めて。「虫の音を聞く会」など、横浜開港に尽力した彦根藩士の井伊直弼にちなんだイベントを今後も継続するとともに、西区では更なる交流の広がりに期待する。
西区と彦根市のつながりは明治時代にさかのぼる。横浜開港に貢献した江戸幕府の幕臣、井伊直弼を顕彰しようと旧彦根藩士の有志が明治初期に港を見下ろす現在の「掃部山公園」=西区紅葉ヶ丘57=の一帯を購入、直弼の銅像を建てた。その後、1916年に横浜市に寄付され、市の公園として整備。園名は井伊掃部頭直弼の名前に由来する。
58年の開港100年祭の式典には、当時の彦根市長が出席。65年からは茶道を愛した直弼にちなみ、鈴虫の音を聞きながら茶を楽しむ「虫の音を聞く会」が同公園で毎年開かれている。
そして75年、西区を拠点とする「横浜ふじライオンズクラブ(LC)」と「彦根LC」が姉妹提携し、それが両地区の交流発展の契機に。都市間交流は行政主導が一般的とされるなか、西区と彦根市のそれは、民間交流が基になっている。84年からは「かもんやま能」、87年にはお座敷列車で区民200人による彦根市訪問などを実現。一昨年の区制70周年には、彦根市の大久保市長をはじめ鉄砲隊、人気ゆるキャラ「ひこにゃん」が西区を訪れた。
昨年には、自治会町内会や地元企業、振興団体などで構成される「ふるさと西区推進委員会」(金子勝雄会長)のメンバーが彦根市長を表敬訪問し「井伊直弼公生誕200年祭」に参加。今回の覚書締結は、同祭の閉幕式典で行われた。
西区地域振興課は「覚書締結で彦根市との交流がさらに広がることを期待している。行政として交流の取り組みをサポートしていきたい」と話している。
琵琶湖に面する彦根市の面積は約197平方キロメートルで西区の約28倍。一方、人口は約11万2700人で西区の約9万7700人とほぼ同規模。
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