中区・西区版 掲載号:2016年9月29日号
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全国印章技術大競技会で特別賞を受賞した 大賀(おおが) 雅雄さん 中区初音町在住 50歳

彫刻技術の更なる高みへ

 ○…「第21回全国印章技術大競技会」密刻の部で最高賞の厚生労働大臣賞を受賞した。「金賞作の方が良いと思っていたので、特別賞をとれてよかった」と語る。作品は絵のデザインから彫刻までおよそ3カ月を費やし完成させた。「密刻はデザインを考えるのが一番大変。取り組むようになってから街中のあらゆるデザインに目が行くようになった」と完成までの苦労を語った。

 ○…父の跡を継ぎ、2008年から大賀堂印房4代目店主を務める。元々は馬車道の近くに店舗を構えていたが、2代目の時に空襲で焼け、戦後初音町に移転した。同町で生まれ育ち、東小学校、老松中学校、舞岡高校と進んだ。音楽が好きで中学時代には質屋でフォークギターを購入し練習に励んだが、「弾きこなすことができずに挫折しました」と苦笑い。それでも音楽への思いは覚めず、今でも休みの日は友人と音楽スタジオを借りてブルースを練習するほどだ。

 ○…大学に進学し、その後は秋葉原のCDショップに就職。しかしながら2年半働いた同店が倒産。3人きょうだいの長男で、幼い頃から「いずれは店を継ぐことになる」と感じていたといい、「店を潰したくないという思いが常にあった」と一念発起、28歳で全国唯一の印章職人の学校「神奈川県印章高等職業訓練校」へ進む。平日は印章店で働き、土日は授業という生活を2年続け卒業。その後は上大岡の青山印房で12年間修業を積んだ。2005年からは同訓練校の指導員となり、後進の育成にあたっている。

 ○…近年は職人の店が減り、機械化でハンコが画一化されてきていると感じる。「彫り師のデザインだけでなく、朱肉の色、押印の仕方も多様にある。それらの違いを楽しんでもらえれば」と話す。店には評判を聞きつけ遠方から訪れる人もおり、「期待されて来られるお客さんのために、限られた時間の中でも全力を尽くしたい」と語る。

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