旧富士見中学校跡地に8月に新規開設する日本語支援拠点施設で、中区と南区の小中学校に転入する外国籍等の家庭に向けた「学校ガイダンス」が5月29日から始まった。8月の全面実施に先駆け、前倒しでの開始となる。
市教委の調査によると、昨年度中区・西区・南区で外国籍および日本語指導が必要な児童・生徒の数は637人。そのうち大半を中区・南区が占めており、人数もここ4年ほどで倍近くに急増している。
同施設は外国から来た児童・生徒など、日本語支援が必要な子どもをサポートする市内初のもの。3階建てで、日本語教室と、学校生活の習慣や制度を学ぶ「プレクラス」が入る。対象は市内全域の児童・生徒。1階部分はコミュニティハウスとして地域に開放されている。
管轄する市教委国際教育課によると、ガイダンスは主にまだ学校に通う準備段階の子を持つ家庭を対象に、給食や児童による当番制の掃除など、日本の学校の制度や習慣を説明する。特に給食に関しては引落し用の口座開設が必要なことから、口座開設関係書類の記入支援なども行う。
親がガイダンスを受けている間は、子どもはひらがなや算数の習熟度合いを確認。これらの情報は子どもが通う予定の学校と共有する。
月曜・火曜が対象で、週と曜日によって中国語、英語、またフィリピンなどで使われるタガログ語、絵などを使ったやさしい日本語の4言語で行う。講師はそれぞれの言語を母語とする同課職員やスタッフが担当。対象者への通知は区役所で住民登録をしたのち、就学先の学校から行う。ガイダンスの実施日に限り、学校経由で全市対象の電話相談も受け付ける。
8月末からは全市が対象に
ガイダンスの先行実施は7月上旬までの予定。これは、少しでも学校生活に親しんでもらおうと、夏休み前の就学をねらうもの。
また海外では9月に学年が切り替わる国も多く、市教委の日本語教室の編入者も一昨年のデータでは9月が4月よりも多い。そのため、先行実施期間に課題や改善点をあぶり出し、2学期直前となる8月末の全面実施に向けて受け入れの下地を作るねらいがある。
国際教育課では「市としても国際教室の担当教員を増やすなど、対応を進めている。何をやっても足りないとは思うが、できることを広げていきたい」としている。
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