中区・西区版 掲載号:2017年7月27日号
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道路沿い建築物 耐震化に資金・合意の壁 市は支援策で対応

社会

 横浜市は7月から、耐震診断を義務付けている市内20本の道路沿い建築物約280棟を対象に、専門家による耐震化サポート事業を開始した。災害時の輸送路確保を目的とするが、対象建築物の所有者は中小企業や個人も多く、資金面といった課題に対し、どこまで改修の道筋をつけられるか、険しい道のりだ。

 事業は横浜市住宅供給公社に委託。建築物ごとに専任の「耐震サポーター」を配置し、建築士など専門家のアドバイスを受けることができる。

 支援対象は、市内20本の幹線道路沿いに建つ、旧耐震基準(1981年)以前の建築物約280棟。所有者には6月中にDMを利用して周知している。今年度は80棟の訪問を目標とし、3年での訪問完了を目ざす。

 市は4年前の国の改正耐震改修促進法施行時、同法に基づき、独自に沿道建築物の診断も義務付けていた。

 この際、義務対象となったのは467棟で、着手済みも含め診断率は約96%。市はこれを受け、診断だけでなく、耐震化の道筋をつける取組として同事業をスタートさせたとする。

着手は約4割

 義務対象のうち、今年5月末時点で、すでに耐震改修済みや設計段階、または自力での改修が可能と判断されたのは190棟で、耐震着手率は約4割に上る。

 一方、残る280棟には中小や個人、マンションも多く、資金面などがネックとなり工事にいたらないのが現状だ。

 特に93棟あるマンションは、資金面のほか組合などでの合意形成も必要となり、改修工事のスペースが取れない立地的課題など困難さは増す。

 改修費用については、一部を負担する補助制度を用意するが、昨年度、制度を活用した義務対象の分譲マンションは、診断60件に対し、設計にいたったのは2件、工事は0件。「国の上乗せ分も含め、原則全額公費となる診断とは違い、負担は安くないのは事実」と市担当者。補助制度の説明も含め、耐震化実現のための具体的な方法を提案していくとする。

 市内の一級建築士は「『耐震=高い』というイメージがある。部分補強で費用を抑えるなど様々な方法があることを伝えていくしかない」と話している。

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