4月から西消防署長に就任した 宮川 淳一さん 西区戸部本町在勤 57歳
伝統を胸に署員一丸で
○…大正8年に「神奈川県第一消防署」として戸部の地に誕生した西消防署。全国で唯一、移転や統廃合を経験せずに来年設立100周年を迎える。節目の前年、自身にとっても初の署長就任。「伝統、歴史の重みを感じる。そういったものを大事にしながら、次の未来に向けて署員とともに一つになって消防業務を進めていきたい」と言葉を噛みしめながら語る。
○…金沢区生まれ、逗子育ち。「人のために役に立つ仕事がしたい」と1985年に入職した。心に残るのは勤務10年目。前年から消防水利―消火栓や防火水槽の配置担当だったが、年が明けて阪神淡路大震災が発生。応援部隊として長田区へ派遣され、本来の業務に直結する防火水槽の状況確認を任された。戦後初めて都市部が壊滅的被害を受けた地震。被害の大きさに愕然としたが「横浜市でも大地震時にどうやって消防水利を確保するかという転換点となった。その大きな流れの中に自分がいたのが30数年の消防人生の中でも一番大きい」と振り返る。
○…3月まで神奈川区にある防災学習施設・横浜市民防災センターの所長を務めた。在職中の2016年には施設が全面リニューアル。「自助・共助」を学ぶ中核拠点として体験型の施設に生まれ変わった。それを機にこれまでの倍以上の年間来場者10万人を目標にしたが、初年度で達成。「各署に協力いただきました」と笑顔を見せる。
○…来場者増の一因になったかもしれないのがこの道20年超のフラダンス。幼馴染みに誘われ妻や娘も巻き込み、地元逗子ではチームを結成。昨年の防災センターでのイベントでは消防士の力強さ、優しさを称える「ファイアーマンズ・フラ」を職員と踊った。西消防署のイベントで見られる日も、遠くはなさそうだ。
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