外国につながる中学生を対象に中区で行われている日本語学習支援講座。高校進学後も後輩たちの居場所になればと、その卒業生有志により今年1月に開設された「RAINbowスペース」が半年を迎えた。同じ境遇の子どもたちを前に、運営する卒業生たちはゲームなどで交流を深めるなど「居場所」づくりに取り組んでいる。
外国につながる子どもたちを対象とした日本語学習支援は、中区役所別館の1階にある「なか国際交流ラウンジ」で2009年から行われており、今年で10年目を迎える。主催するのは中区から同ラウンジの運営を委託されている(公財)市国際交流協会(YOKE)。
この支援事業開始から関わっている中村暁晶さん(44)は、当初、外国につながる中学生たちを高校に進学させることが役割だとして取り組んできた。しかし、3、4年して同講座の卒業生がラウンジを再訪する姿を多数見かけるようになり、学校になじめないなど相談内容も中学生のころと同じであることに問題意識を持ったという。
そこで中村さんは日本語の学習支援にとどまらず、社会参画が進むように交流や学習、進路などの悩み相談などを継続する「人」への支援が必要と考え、卒業生を支援する取り組みを発案。若者に運営を任せるかたちで今年1月に発足した。
運営委員会はすべて支援講座の卒業生で、高校生から大学生までの7人。そこに支援講座の一期生で早稲田大学大学院生の林(リン)錦園(キンエン)さん(23)がコーディネーターとして参加し、「にじいろ探検隊」として活動する。
開催場所は同ラウンジの研修室で、月2回、月曜日に開催。ラウンジ同様YOKEが主催する。
テーマは各回で異なり、「期末テストに向けた学習」から「先輩(大学生)の話を聞く会」、「大学進学の是非や高校生の恋愛についてのディベート」など様々だ。
林さんはRAINbowスペースについて「母国語で語り合うことで、自身の考えをしっかりと表現でき、自身の可能性を感じられる。また安心できる場所で、学習意欲に応えることができる場所」と評価する。また「参加者だけでなく、運営メンバーもともに成長することができる」と今後に期待する。
中村さんは「親の都合により子どもたちの人生が左右されないよう、物事を判断できる情報を提供し生きる力を身に着けてほしい」と話している。
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