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林市長インタビュー 「にぎわいと活力生む年に」 IR誘致へ「理解求める」

政治

公開:2020年1月1日

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本紙インタビューに答える林市長
本紙インタビューに答える林市長

 本紙では年頭にあたり、林文子市長に恒例の新春インタビューを行った。市長は東京五輪・パラリンピックを迎える今年を「にぎわいと活力を生み出す一年にしていく」と抱負を語った。市民の中で賛否が入り交じるIR(統合型リゾート)誘致については、説明会を通じて市民に理解を求めながら、推進すると明言した。(聞き手/本紙・北原健祐)

 ――まず、2019年の振り返りからお願いします。

 「昨年は、街のにぎわいと横浜の魅力向上につなげるさまざまな施策、事故や災害への対応、そして、横浜の持続的な成長の礎を築くための取り組みを進め、本当に密度の濃い一年でした。『第7回アフリカ開発会議』や『ラグビーワールドカップ2019』など、国際的なビッグイベントで、世界の注目が横浜に集まり、成功裏に終えることができ、心より感謝申し上げます。

 また、新たに大黒ふ頭客船ターミナルと新港ふ頭『横浜ハンマーヘッド』がオープンし、クルーズ客船の7隻同時着岸が可能となり、横浜港がアジア初の『ポート・オブ・ザ・イヤー』ファイナリストに選ばれました。国内外から高い評価を受け、ワールドクラスのクルーズポートに向けて大きな飛躍を遂げています。

林市長インタビューIRの有効性に自信

 ――2019年の振り返りの続き。

 「京急グループ本社や資生堂の研究開発拠点などの誘致を実現しました。10月にはベンチャー企業成長支援拠点『YOXO(ヨクゾ) BOX』を開設しました。横浜から新たなビジネスを創出し、世界から選ばれる都市を目指しています。

甚大だった台風被害

 一方で公共交通機関の事故が相次ぎました。交通インフラに対する信頼を取り戻しながら、一日も早い復旧に向け、全力で取り組んできました。9月には、集中豪雨や台風により市内でも甚大な被害が発生しました。金沢区臨海部の産業団地を中心に大きな被害が生じ、大変申し訳なく思います。補助制度の創設や、護岸の再整備にしっかり取り組みます」

五輪で横浜の魅力発信

 ――2020年度の重点施策は。

 「昨年はラグビーワールドカップが盛り上がりました。それを今年の活性化につなげていきます。横浜では東京五輪で野球、ソフトボール、サッカーが行われます。昨年の経験を生かし、万全の準備で大会の成功に貢献し、横浜の魅力を発信します。

 いよいよ6月から新市庁舎で業務を始めます。気持ちも新たに市民の皆様の期待にしっかりと応えていきます。

 春にはみなとみらい21地区にMICE施設のパシフィコ横浜ノース、4月には1万人収容できる『ぴあアリーナMM』、そして長い年月がかかりましたが、待望の横浜武道館も出来上がるなど、新たな施設が次々にオープンします。また、大型連休にクルーズ客船6隻の同時着岸が実現します。ぜひ、ご覧になっていただきたいですね。ナイトタイムエコノミー(夜の観光)にも力を入れていきます。

 みなとみらい21地区で、新たな劇場整備を検討しています。横浜には本格的な舞台芸術の拠点が必要です。まさにやるべきタイミングが訪れています。また、旧上瀬谷通信施設を会場として2027年、国際園芸博覧会の招致も目指します」

将来の政策遂行に必要

 ――IR誘致に向けた取り組みを始めています。

 「横浜市でも今後人口減少や超高齢化が進み、法人税収入は東京と比べて圧倒的な低さです。また、横浜の観光客は日帰りが85%前後と多く、観光消費額が上がっていません。そのような中でも、横浜市は子育て・医療・福祉・教育などの充実を進めてきました。しかし、将来の横浜に必要な政策にかかる予算がとても厳しくなっています。さまざまな経済振興を進めてきましたが、そうした政策の一つとしてIRは非常に有効です。間違いなく相乗効果を生み出していくと思っています。将来の横浜を考え、政策の1つとしてIR の実現を進めていきます」

収益を福祉関連に

 ――IRでは国際会議場の設置を検討しています。

 「横浜には会議の需要があり、まだ国際会議場が必要です。これは国も待望しています。民間のIR事業者が運営しますが、IR全体の3%以下の面積のカジノの収益で、施設の維持、警備などさまざまな経費を賄っていきます。加えてIRによる増収は、これからもっともっと費用がかかる子育て・医療、福祉・教育といった福祉関係に充てられると考えています」

 ――市が目指しているIRを教えてください。

 「未来型の総合アミューズメント体験ができるリゾートを目指しており、日本的な伝統芸能などもお楽しみいただけると思います。エンターテインメント施設として、世界的なショーや国際的なアーティストのコンサートなど、日々一流のものを身近なところで見ることができます。無料のスペースもあるので、お子様連れでも安心してお楽しみいただけるのではないでしょうか。

 横浜市はウォーターフロント、都心臨海部の開発を継続して進めてきました。政府が提示した日本型IRは、私達が以前から考えていた開発の意図と同じであることを皆様にお伝えしています」

「市民の声聞きたい」

 ――反対する市民も多くいます。住民投票を求める声もありますが。

 「横浜が目指す日本型のIRについて、私たちがプレゼンテーションできていなかったこともあり、まだ多くの市民の皆様にご理解いただけていません。私はそれを踏まえ、皆様のご意見を直接お伺いしたいと思い、スピード感を持って昨年から市内全区で順次説明会を行っています。IRを期待する方もいる一方、反対の意見も当然あります。特にギャンブル依存症や治安悪化のご心配をいただいていますので、徹底した対策を講じます。現時点で誘致の賛否を問う住民投票は考えていません」

 ――最後に市民への新春メッセージを。

 「新たな年を迎え、市民の皆様とともに、希望に満ちた一年を過ごしていきたいと願っています。五輪・パラリンピックイヤーの今年は、にぎわいと活力が高まると思います。横浜が持続的に成長・発展できるよう、今年も『オール横浜』で取り組みます。よろしくお願いいたします」

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