漁場だった本牧の海の埋め立てをテーマにした演劇を、本牧南小学校6年1組の児童たちが2月10日、本牧原地域ケアプラザで披露した。劇を観た当時を知る漁師は、地域の歴史を学ぼうという子どもたちの取り組みに「ありがとう」と目を細めていた。
創立50周年を前に
この演劇は、同小学校6年1組が取り組んだ総合学習の一環。2021年の同校創立50周年を前に、同クラスでは校舎が建つ場所の歴史を後輩たちに伝えたいと本牧の歴史をテーマに取り組んだ。そこで豊かな漁場だった過去を知り、本牧の「今昔」模型などを作成。さらに、その歴史を広めようと演劇化を決めた。台本を書いて昨年11月の学習発表会で披露。その力作ぶりに総合学習に協力した八聖殿郷土資料館や地域の郷土史家らが、地元の本牧原地域ケアプラザに働きかけるとともに、子どもたちも地域向けに劇を披露したいと、今回の公演が実現した。
ストーリーは、本牧市民公園にある埋立記念碑の前で遊んでいた子どもたちが、江戸や明治、戦後の埋め立てが始まる当時の本牧にタイムスリップする。当時の漁師たちと触れ合い、また国の未来のために漁師たちが引き裂かれるような思いで埋立に同意した経緯なども描いた。
当日は同クラスの児童21人が2グループに分かれ、2回にわたり劇を披露。70、80代を中心としたケアプラザの利用者ら約40人が参加した。埋め立て前から本牧で漁をしていた漁師の岩崎英雄さん(83)も駆けつけた。
岩崎さんは「子どもたちが埋め立てのことを知ってくれた。ありがとう」とこの取り組みを喜んだ。岩崎さんは「潮が引くとアサリやアオヤギ(赤貝)が30杯、40杯もとれる豊かな海だったよ」と当時を振り返っていた。漁師役を務めた小野慶畝さんは「調べて勉強したことで、地域のことがより分かった」と話していた。
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