市政報告 カジノIR誘致は思いとどまるべき 横浜市会議員 おぎわら隆宏
横浜市会第一回定例会が3月24日まで開催されています。本日より2020年度予算の局別審査が始まります。
IRの委員会は公正公平か
2月17日、私が所属する建築・都市整備・道路委員会が開会され、IRを運営する事業者を公募・選定するための委員会設置の条例案が審議されました。市長が委員を選び、IR事業者をどの企業にするのか決める委員会です。7名以内で有識者により構成されると局の説明がありましたが、IRを強力に推し進める林市長が直接人選する委員会が、本当に公正公平に第三者の視点で事業者を選定する機関となりうるのかの保証はありません。我が会派は反対いたしました。
負の側面説明すべき
また市は3月6日から4月6日まで、「横浜IRの方向性」という文書を発行し市民から意見を募集するパブリックコメントを行うとの説明があり、その素案が示されました。あまりに偏ったIR礼賛の内容は、IRによってもたらされる負の側面を市民に隠す行為と私には映ります。ギャンブル依存症とはどのような症状で、どのように治療するのか。IRによる市増収は下限の820億円を下回ることはあるのかとの私の質問に、副市長は「いまは答えられない」と答弁。市増収額がこれまでの発表通りではない可能性が示されました。さらに、カジノ店内での借金が可能な点については、その危険性を市民に情報提供されているとは到底言えません。
横浜は賭博から市民を守ってきた
横浜は開港後、居留地における賭博行為の取り締まりに腐心した歴史があります。日本人が外国人の治外法権を悪用して賭博行為を実施し、「日本人も参加して博奕(ばくち)を行っている例は検挙されたものだけを数えても非常に多数にのぼる」と横浜市史にあります。賭博の弊害から市民を守ってきたからこそ、生糸貿易等を通じ横浜は日本の近代の夜明けを支える事が出来たのです。
イノベーションたりえない
市は方向性のなかで「横浜イノベーションIR」と銘打っていますが、カジノによって支えられるIRはイノベーション(革新)たりえません。横浜は努力して賭博による弊害を排除して発展してきた港。先人の努力に報いるためにも、カジノIR誘致は思いとどまる必要があります。3月24日の議決に向かい、カジノIRについて市会で議論が展開されます。市民の皆様とともに、横浜の未来像を決定的に左右するカジノIRの是非について、予算審査を通じて議論を盛んにしたいと思っております。皆様のご指導を心よりお願い申し上げます。
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