東日本大震災の経験から全国で防災について語っている元教員の佐藤敏郎さんによる講演が、日本赤十字社神奈川県支部で2月に行われた。学校教諭などを指導者とする「青少年赤十字」 が知識向上のために行っている研究会の一環。県内学校の教諭や赤十字奉仕団員などが参加した。
研究会のテーマは「3・11を学びに変える〜あの日の大川小の校庭に向き合う」。宮城県石巻市生まれの佐藤さんは東日本大震災の発生当時、女川町立女川第一中学校に勤務。大川小学校に通っていた小学6年生の娘を亡くしており、教員・遺族の2つの視点から防災教育について講演などを行っている。
佐藤さんは自身の娘を含む74人の児童と教員10人が犠牲となった、大川小を襲った津波について時系列で解説した。
地震発生から津波が児童を襲うまでの時間は51分。学校には裏山があったが、教諭たちが避難を目指したのは川沿いだった。避難マニュアルは設けていたが実用的なものではなかった。一方で近隣校では3階建て校舎の屋上だった津波時の避難場所を震災前に議論し裏山に変更。そのため、児童・教諭は裏山に避難し無事だった。
これを踏まえて佐藤さんは「命を救うのは山ではなく『登る』という判断や行動」とし、「『念のためのギア』を上げなければいけない。ましてや学校は一般住民よりも早く高く(ギアを)上げるべき」と指摘。参加した教員らに向けて、子どもたちの輝く命を想い、想定のレベルを上げる必要性を訴えた。
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