新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、多くの学校で卒業生のみの参加となった今年度の卒業式。西区の浅間台小学校周辺では地元有志や保護者が中心となり、桜色の小旗を製作。登校する卒業生たちを祝った。
この企画の中心となったのは、同小の学校・地域コーディネーターでもある(有)マルニ商店=西区浅間町=の栗原清剛さん。卒業式が縮小となる中、保護者や地域住民など参加できない人たちが喜ぶ方法はと考え、小旗を作って通学路に掲示することを考えた。
企画を考えたのは卒業式の1週間ほど前。栗原さんが業者に確認すると「その日のうちの入稿なら卒業式までに納品可能」との返答が。1時間でデザインを考え無事入稿。卒業シーズンらしく桜をあしらい、校章と「浅間台小のみなさんおめでとう」の文言が描かれた小旗100本を発注した。
完成した小旗は、卒業式前日の18日に他の地域コーディネーターと協力して学区内へ配布。自宅前や店頭での掲示をお願いした。「飲食店で掲示のお願いをしていたら、隣の席の方が卒業生の親で『ありがとう』と涙を流して喜んでくれました」と栗原さん。
通学路で交流
迎えた卒業式当日。通学路にあたる環状1号の各店舗には、桜色の小旗の姿が。普段の通学時には交通安全の見守り活動が行われている浅間町2丁目の神明下公園付近には、卒業生の保護者や自治会役員など地域住民が小旗を持って集まった。
「一緒に育ててくれた地域の人たちが祝ってくれるのはうれしい。見守っていただけることに感謝です」と話したのは息子が卒業生の安田育恵さん。駆け付けた後輩から「式には行けないけど頑張って」とエールを受けていたはかま姿の女子児童は「本来は一緒に出席するはずだったけど、最後にこういう関わりを後輩と持てて良かった」と笑顔を見せた。
自身の娘も6年生の栗原さんは「地域の人が参加できないのは残念だが、旗は今後も入学式などで使える。ここから始まる伝統になれば」と思いを語った。
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