10月1日付で日本郵船氷川丸の第29代船長に就任した 大内 孝利さん 中区在勤 68歳
氷川丸伝える、名物船長に
○…現存する唯一の貨客船として山下公園前に係留保存されている横浜のシンボル「日本郵船氷川丸」。このほど、同船の船長に就任した。「氷川丸は豪華客船というイメージが強いかもしれないが、貨物船として当時の物流を支えた側面もある。私も貨物船の船長を歴任した経験もあるので、氷川丸の2つの”顔”を伝えていきたい」と意気込む。
○…愛媛県出身。瀬戸内海に囲まれた環境で育ち、自然と海に興味を持つようになった。また物心ついた頃から好奇心旺盛で、中学生の時には船乗りになることを志すように。全寮制の専門学校に入学する際には、心配し涙する母親の姿があった。「船員になってもよいものなのか」との考えが頭をよぎったことも。しかし、世界中を回るという幼少期の憧れを胸に進学。卒業後は日本郵船に入社し、自動車や鉱石など物資を運ぶさまざまな貨物船に乗って、あらゆる航路を辿った。
○…入社以来の40年弱、海上勤務だけでなく陸上で荷役作業の計画などを行う、ポートキャプテンとしても貨物船を支えた。今回客船での勤務は初。「私はシャイなので、社交性を求められる実際の客船の船長は向いていなかったと思います」と照れ笑いを浮かべるが、「客船で最も大事なのは心配り。自分なりの氷川丸船長を目指します」と力強い。
○…同船は今年で竣工90周年。「もちろんですが、長年勤めた前船長に比べ自分はまだまだ若葉マーク。名物船長となれるように頑張らなくてはいけないですね」と頭をかく。「特に若い人たちに海や船に興味を持ってほしい。そして将来、海上で働く子たちが出てくればいいですね」。見据えるは100周年。次の世代へと、氷川丸の歴史を伝えていく。
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