中区3消防団の女性団員らが協力し、「地域防災にもっと役立つように」と訓練や会議を重ねている。東日本大震災からまもなく10年が経過しようという中で、平日の日中など災害時の活躍が期待されている。
中区内には伊勢佐木・加賀町・山手の3つの消防団があり、横浜市内で1区に複数の消防団が存在するのは中区のみ。3団合わせた492人のうち3割超となる161人が女性団員(昨年4月1日時点)で、その数は年々増加傾向にある。近年は会社員など被雇用者の男性団員も増加しており、平日昼間に大規模災害が発生した場合、在宅・在区率の高い女性団員による早期対応が重要となっている。
「あり方」検討会 発足
これらを踏まえ、性別関係なく活躍できるようにと3消防団の女性団員が連携し、情報共有など目的とした「女性消防団員あり方プロジェクト検討会」が2019年に発足。以前は住宅用火災警報器の普及促進や一人暮らしの高齢者宅への防火訪問、地域住民に対する防災教育および応急手当の普及・指導が主な役割だった女性団員の「あり方」が変わりつつある。
「放水できるように」
検討会では今まで消防団同士の交流が少なかったため、連携強化や情報共有へ懇親会を実施。そんな中、山手消防団では女性団員のみで訓練を行っており、そこに伊勢佐木・加賀町も参加する形の合同訓練を実施すべく、会議などを重ねた。
実際の訓練は昨年の7月からスタート。「まずは女性だけで放水ができるようになること」を目標に掲げ、月1回程度大型商業施設の駐車場などで実施。毎回20〜30人が仕事や家事の合間をぬって参加し、ホースなどの取り扱いや放水時の連携について、時には男性団員や消防署員の指導も仰ぎながら、技能向上に努めているという。
また昨年10月には神奈川県総合防災センター=厚木市=に赴いて防災研修を行い、地震や風水害の災害体験や防災情報の収集など知見を深めた。女性団員の1人は「一人ひとりが技能を着実に習得し、歩調を合わせて進んでいければ。まだまだ道のりは長く、放水が終わったら、救助機材の取り扱いなどにも挑戦したい」と意気込んだ。中消防署の署員は「団の垣根を越えた連携は、地域防災力の向上などにもつながり非常にありがたい。積極的な活動のためのサポートをこれからもしていきたい」と話した。
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