第27回全国染織作品展で県内から唯一の入賞者となった 野中 郁子さん 中区矢口台在住 49歳
色の世界に引き込まれ
○…日本染織作品展に入賞した綿織物『錦秋』はタマネギやクチナシなどの天然の染料を用いてグラデーションを表現した作品。「日本の美しい里山の秋に思いを馳せました」と微笑む。昨年は長野県の駒ヶ根シルクミュージアムが主催する第15回現代手織物クラフト公募展でグランプリの長野県知事賞を受賞した。
○…小学5年生の時に見た職業紹介の記事で、1人1人に合う色を診断する「パーソナルカラーアナリスト」にあこがれた。「昔から色彩を考えるのが好きなんです」と話す。染織を始めたきっかけは、人間国宝で染織家の志村ふくみさんの随筆を読んだこと。「恋に落ちたような感覚で」と一層色の世界に引き込まれた。6年前、志村さんの個展に足を運び「ちょっとでも良いと思った人がいれば染織を続けてほしい」というビデオメッセージを見て、染織の道を歩むことを決心した。
○…埼玉県出身。2012年の結婚を機に横浜へ。昔ながらの日本文化が好きで、普段から着物や浴衣を着用している。「帯でお腹が暖まるし、健康にも良いんですよ」とはにかむ。長男を出産する際は自身の希望で自宅出産に挑戦するが、「助産師を呼ぶ前に生まれちゃって」と苦笑い。息子は現在小学4年生。「まだまだかわいいですね」と笑顔を見せる。
○…横浜の染織教室に2年間通い、現在は自宅のリビングで作品作りを行う。以前は不動産や化粧品のPR、フリーランスでパーソナルカラー診断などをしていた経験も。「これからは染織で生計を立てていきたい」と話す。黙々と反物と向き合う孤独な作業が続く染織。「思いを込めて染め上げた作品が、誰かの喜びになれたら」と目を輝かせた。
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