横浜の銭湯を後世に残したいと撮影するカメラマン 澤井 誠さん 中区本牧間門出身 54歳
誰かが「記録」しなければ
○…中区本牧間門の「間門湯」の三男として銭湯は身近な存在で当たり前にあるものだった。知り合いの店が次々に閉業、銭湯が”歴史”になっていくのを感じ、「今記録して残していかなければ」との使命感で2018年ごろから自身のプロジェクトとして市内の銭湯を撮り始めた。22年・23年には市浴場協同組合のカレンダー写真も撮影した。
○…「開店する3時より前に家に帰って手伝いをしないと叱られた。『昭和のおやじ』だったからね」と亡き父との思い出を語る。「不器用なりに仕事を頑張っていたんだと。感謝です」。現在、間門湯は次男が引き継ぎ、母と店を切り盛りしている。「今でも薪で沸かしている銭湯は珍しいんですよ」と話す姿は愛にあふれている。
○…「自分が見た、感じたものを形にできることに感銘を受けた」というカメラとの出会いは立野高校時代。3年時に恩師の勧めで卒業アルバムを手がけ、その際「人生の先輩」と慕うカメラマンと知り合った。アメリカに渡り3年ほど写真を勉強し、帰国後は知人の紹介で多様な仕事をこなし実力をつけていった。「必要な時に必要な人と出会えた。運が良かった」。現在はフリーで人物、料理、卒業アルバムの写真など、ジャンルに捉われずさまざまなシーンを切り取っている。
○…フィルムからデジタルへ、その変遷も辿った。「いつでも写真を撮るのは楽しい。仕事という感覚はない」と話す。若いころはバイクで本州の最果てを目指すなど旅が好きだった。「当時一生懸命遊んだ。これからは経験してきたことを還元したい」と横浜隼人高校写真部の学生と交流するなど育成にも力を注ぐ。「銭湯だけでなく、昔撮ったデータもまとめて形に残していきたい」
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9月12日