職業体験などのキャリア教育の充実発展に尽力したとして、西区の老松中学校(谷博章校長)が2017年度のキャリア教育優良学校として文部科学大臣表彰を受賞した。同校では20年前から地元企業などへの職場体験学習を実施している。
この表彰は各都道府県・政令指定都市教育委員会の推薦を受けた学校や教育委員会、PTA団体などが対象。今年度は市教委から老松中が推薦された。同校のの受賞は2006年度以来11年ぶり。
今でこそほとんどの中学校で職場体験が行われているが、同校では20年前から先駆けて実施。現在は9月に「キャリア週間」を設定し、2年生が職場体験を行うほか、1年生は職業講話や農家への宿泊を通じた農業体験、3年生は赤ちゃんと触れ合う「赤ちゃん教室」や裁判所見学と、学年ごとに実体験によるキャリア教育を行っている。
地域協力による3年間を見据えたこうした独自の学習が今回評価され、大臣表彰となった。
谷博章校長は「学校にもらった賞ではなく、皆の努力の成果。学校・家庭・地域が一体となって、子どもたちを育てて頂いているということ」と心境を話す。今年度は小売店や飲食店、福祉サービスなどを中心に、公共施設も含め60近い事業所が2年生の職場体験を受け入れた。
職場体験異例の5日間
短くて半日、長くても3日という受け入れ期間が多い中、同校では市内でも珍しい、5日間の受け入れを事業所に依頼している。
谷校長は「1、2日ではお客さんで終わってしまう。3日目以降の子どもの変容ぶりは、事業者からも『人材育成の参考になる』と評価してもらっている」と説明する。保護者の協力も得て、年々受け入れ先が開拓されていった。
受け入れ先の一つ、杉之子幼稚園=西区中央=では、教諭の補助役として園児への読み聞かせや園庭の掃除などを中学生に体験させている。鈴木直美園長は「5日間あることで園児も慣れてきて、お互いに名前を呼び合っている姿が目立つ。複数クラスに携われるので、より充実した体験ができていると思う」と印象を語る。
老松中は2年前から市教委の「キャリア教育実践推進校」に指定。今年度は先進事例の取組みを行う神戸市を視察するなど、更なる継続に取り組んでいる。
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