西区の中でも山坂が多く、高齢化率も高い南西部の第3地区。地域住民と福祉施設が手を組み、高齢者の買い物や通院の足となる移動支援バスを走らせる構想がある。5月20日の地区の春まつりで、試験運行として初めて地域にお披露目される。
構想の中心を担うのは、藤棚地域ケアプラザと、就労サポートセンター「エヌ・クラップ」や地域生活を支援する「ガッツ・びーと西」が入居する西横浜の障がい者支援施設「生活創造空間にし」。
藤棚地域ケアプラザでは2016年度から第3地区の65歳以上約400人にアンケートを実施。「山・坂・階段が多く、買い物に苦労している」という人が全体の7割近くに上った。こうした声を受け「移動を支援するものを地域と一緒になって立ち上げよう」と、地区独自の移動支援バス構想が考案された。
愛称は「おでかけ3」
愛称は第3地区を表す「おでかけ3(さん)」。生活創造空間にしが利用者送迎に使う車いす対応の車両を活用。運転手を除く7人が乗車でき、送迎以外の昼間に走らせることを想定している。ルートは未定だが、藤棚商店街などの商業地域と東久保町や藤棚県営アパートといった住宅地を結ぶことが検討されている。
2施設のほか第3地区の各自治会長や藤棚商店会会長、民生委員など約20人で実行委員会を結成。来年度の運行開始にむけ、運行ペースやルート、利用料金の議論を進めてきた。
3地点から乗車
初の試験運行となる5月20日は、ふれあい春まつり会場の稲荷台小学校を終点とする3つのルートを設定。アップダウンのある藤棚県営アパート集会所自治会館前・東久保町会館前・池ノ上公園北側の3地点を乗車場所とした。
午前中は稲荷台小に向かう上り便をルートごとに3〜6便、午後は出発点に戻る便を午後2時30分まで最大4回走らせる予定。試験運行では途中乗車は行わず、目的地へ直行する。事前申込みは不要だが、今回の乗車は高齢者限定となる。
藤棚県営アパートの乗車場所では自治会メンバーが乗降を手伝う。自治会の永山三吉会長は「すでに地域の掲示板で告知しているが『バスができるんだって』と期待する声は多い」と話す。
運行費用、課題に
試験運行では生活創造空間にしが運行経費を負担し、スタッフが運転手を務める。運行費用の捻出やドライバーの確保も今後の課題だ。同施設の阿部浩之副館長は「ゆくゆくは地域主体のものに移行していければ」と行政との連携も模索する。
また実行委員会では「おでかけ3」に掲示するロゴマーク案を5月20日から募集する。応募資格は西区在住在勤在学者で、応募用紙は生活創造空間にし、藤棚地域ケアプラザで入手可能。
|
<PR>
中区・西区・南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|