慢性的な働き手不足が叫ばれている介護現場の新たな担い手として、高校生の存在が注目を集めている。これまで専門性が高い職場とされ、業界全体に彼らを迎える発想がなかったが、介護の経験や資格がなくても行える周辺業務で若い力を発揮してもらおうという試みが広がりつつある。
介護老人福祉施設「ケアホーム三浦」(三浦市初声町)では、「高校生バイト」を積極採用している。大楠高校3年の加藤葵さんは、昨年6月から勤務。職員をサポートする介護補助員として夕食時の配膳や洗い物などを担当している。入居者の要望に耳を傾け、必要であれば介護士につなぐ。そんな役割も持っている。「ありがとうの一言がやりがい」と加藤さんは笑みを浮かべた。
介護大手の「ツクイ」(本社=横浜市港南区)も、働き方改革の一環として「高校生バイト」の受け入れを今春から本格的に始めた。現在は東京都にある施設で10人の高校生がレクリエーションのサポートや清掃、食事の準備といった業務を育成担当のアドバイスを受けながらこなしている。同社では、目先の人材確保を目的としていない。業界全体のイメージ向上が一番の狙いで、「人のために働く楽しさや意義を介護の仕事を通じて経験して欲しい」と人財育成部の原優実さん。長期的な視野で介護人材の裾野を広げていく考えだ。
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