伊勢佐木町の映画館、横浜ニューテアトルが6月1日で46年の営業を終えた。
最後の上映作品となったのは、伊勢佐木町に実在した娼婦・メリーさんの伝説を題材にしたドキュメンタリー『ヨコハマメリー』。2006年の公開時には劇場外まで行列ができた縁ある作品が選ばれた。
鑑賞券は当日販売のみだったが、昼過ぎには完売。上映時間の午後7時30分が近づくと、映画館前の道路にはチケットの有無にかかわらず、映画館との別れを惜しむ人が集まってきた。
来場者からは惜しむ声
完売前の最後の1枚を購入したのは、ニューテアトルからほど近い日ノ出町の税理士事務所に勤める佐沢暖さん。結婚後、年間50本の映画を観るという妻の影響で自身も各地の映画館へ通うようになった。「そのきっかけの一つになったのがニューテアトル。淋しい気持ちはありますね」。あいにく購入できたチケットは1枚のみ。妻からは「観てきなよ」と鑑賞を託された。「作品と、映画館の感想を妻に伝えたいと思います」と話し、席に着いた。
上映前から映画館入口で様々な来場者に声を掛けられていた同館の長谷川喜行社長は「こんなに人が来てくれるとは思わなかった。やっぱり淋しいですね」と話していた。
上映後は午後10時の閉館まで開放され、思い出に残そうと館内の写真を撮る人の姿が多く見られた10時を過ぎてもなお、別れを惜しむようにスタッフと来場者が想い出話を語り合っていた。
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