市立図書館利用状況をまとめた「横浜市立図書館年報」の最新版が、6月27日にHP上で公表された。市立図書館では2017年度から近隣市との広域相互利用を始めたが、施設入館者数は減少。改善のため、図書館は様々な取組みを実施している。
市立図書館は、西区老松町の中央図書館を含め各区に1つ、計18施設ある。2017年度の全館入館者総数はピーク時(03年度)の約1010万人から約255万人減り、約755万人に。また、貸出総冊数も03年度から約128万冊減り、約1050万冊となった。
施設の入館者数減少の原因について中央図書館の沖間俊明企画運営課長は「読書をする層が減っていることに加え、インターネットの蔵書検索・予約機能が関わっているのでは」と分析する。市立図書館では05年からインターネットでの検索・予約機能を導入しており「本を探すためだけに来ることが減ったのも入館者減に影響していると思う」と話す。
昨年3月から横浜市立図書館は隣接4市(鎌倉市、川崎市、藤沢市、大和市)との広域相互利用を始めた。今年の4月からは横須賀市も開始。これにより、各市在住者は利用登録をすれば、横浜市立の各図書館でも本の貸し出しが可能になった。
そのため、県内最多の蔵書数がある市立図書館のインターネットでの蔵書検索数が前年度の1・2倍、約4500万件に急増したのではないかと、中央図書館の担当者は推測している。
SNSやイベントで入館者増ねらう
しかし、広域相互利用の開始は、いまのところ入館者の増加に結びついていないのが現状だ。そこで、市立図書館では、昨年11月からツイッターの利用を開始。各図書館で開催されるイベントなどの情報を掲載している。これは、SNSを情報収集のツールとしてよく利用する若年層にも図書館の情報を届けることがねらい。実際に中央図書館では、週2回行われている「おはなし会」に子育て世代が来るようになったという。
そのほかにも入館者数を増加させるため、工夫をこらす。
中央図書館では、小学生対象の肝試しや30代向けのビジネス系イベントを実施するなど幅広い世代に利用を呼びかけている。中図書館=中区本牧原=でも昨年度、図書館員の体験ができるイベントや相続遺言講座などを開催している。
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