全国的に記録的な猛暑が続く中、横浜市では熱中症による救急搬送が累計989件(7月31日時点・速報値)発生。前年同月比の2倍以上となっており、過去最多の2013年を上回るペースだ。横浜市消防局では厳重な注意を呼び掛けている。
1日50人以上が連続7日
市消防局は毎年、5月から9月までの熱中症による救急搬送件数をまとめている。2000年の統計開始以来、最も多いのは13年の1072件。「5―7月」で比較すると、今年はすでに13年の486人を大幅に上回る勢いで、過去最多を更新するペースとなっている。特に1日70件の搬送があった7月18日からは、1日50人以上の搬送が連続7日間続いた。
7月26日までの熱中症発生状況をみると「屋外」468件、「屋内」431件。年代別では「成人」(18歳以上65歳未満)が最も多く386件、次いで「高齢者」(65歳以上)の353件が続く。
事例としては、90代女性がエアコン未設置の居室で倒れ搬送、10代男性が屋外でサッカーの練習中、頭痛と吐き気で搬送されている。22日には、13年以来の熱中症による死亡事故も発生した。
市消防局の担当者は「炎天下での活動を避け、こまめな水分補給や適切な温度管理に注意するほか、不要不急の外出は避けるように」と注意を促し、体調が悪くなった時には「救急車を呼ぶか迷うような場合は、#7119に電話で相談をし、手遅れにならないように」と話す。
西・中消防署もフル回転
5月から7月まで、区ごとの熱中症による救急搬送件数を見ると、中区は80件。特に7月は73件発生しており、同月だけで昨年合計の57人を大きく上回る。中消防署の救急担当者は「ひとり暮らしの高齢者が多く、周囲に気付かれずに訪問時には重症化していたケースも多い」と話す。
中区は横浜スタジアムや山下公園など炎天下のイベントも多いエリア。同署では早い段階でイベント業者を集めて説明会を開き、来場客・スタッフへの熱中症対策を指導している。
西区では今年5月から7月末までに48件の救急搬送が発生。昨年同時期は23件と倍以上のペース。開発が続くみなとみらい地区や横浜駅前の工事現場でも発生している。西消防署の担当者は「救急隊員も『タッチアンドゴー』で出動しており、食事もままならない状況」と胸の内を明かす。
住民以外に観光や仕事で訪れる来街者が搬送されるケースも多いことから、同署では相鉄線横浜駅2階改札口のデジタルサイネージ(電子看板)やスカイビル内のモニターで、小まめな水分補給など熱中症予防への取り組みを呼び掛けている。
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