NPO法人BankART1929の代表を務める 池田 修さん 中区長者町在住 61歳
街と人に新たな息吹を
○…横浜市が新高島駅構内地下1階に今月オープンした創造界隈拠点「BankART Station」を運営する。15年前まで地上階の開発のために倉庫として使われていた約1000平方メートルの空間。「そんな場所があるなんて誰も知らなかったでしょ」と笑う。現代アートの展示やアーティストの創作活動の拠点として新たな息吹を与える。
○…大阪府出身。大学では理学部で学び、卒業後、横浜にあった現代美術の学舎「Bゼミスクール」へ。そこで後に横浜トリエンナーレの総合プロデューサーも務める川俣正氏らに出会った。建築やものづくりが大好きで設計図面もひくが、「いつのまにかプロデュースのほうに進んでいた」と苦笑い。現在は名古屋芸大大学院の講師など20以上の肩書きを持ち、国内外を飛び回る日々だ。
○…2つの銀行の跡地を文化芸術に活用し、都心部再生の起点に-。市が行った公募で選定され2004年からBankARTの活動が始まった。当初は2年の予定が、形を変え、場所を変えて今年で15年。現在は中区・西区内に3つの拠点を持ち、スクールや展示、書店など年間300以上の事業を手がける。これまでに関わった人は5000人以上。「ありがたいことにみんな出世して8割以上がいまだに関わってサポートしてくれている」と目尻が下がる。20年東京五輪のエンブレムをデザインした野老(ところ)朝雄氏もその一人。「関わった人が伸びていくのが嬉しい」。
○…新拠点の上には建設中の資生堂や既存の日産、富士ゼロックスなどが建ち並び、「まるで大企業の町内会」。こうした企業との連携も視野に入れる。「まずはこれから1社ずつ頭を下げないと」と笑顔。「横浜には余白がたくさん。やりがいがあるよ」。変化を楽しみ、歩み続ける。
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