臨港パークに隣接するみなとみらいの耐震バース(係留施設)※で、KDDI(株)と横浜市、海上保安庁による合同の災害対策訓練が3月1日に行われた。災害時に海・空からの緊急救援物資輸送などの拠点を担う耐震バースで、実際に船を接岸して訓練を行うのは稀だという。
訓練にはKDDIグループが保有する海底ケーブル保守船「オーシャンリンク」が参加。災害時には専用機材を設置することで船舶型基地局として携帯電話等の通信基地局の役割を果たすことができ、昨年9月の北海道胆振東部地震でも現地通信復旧に活躍した。
KDDIでは大規模災害が多発した昨年を踏まえ、通信の早期復旧には道路通行情報の把握など自治体との連携が不可欠との考えに至り、今回「官民連携による災害対応の進化」をテーマに初めて横浜市と連携。
オーシャンリンクが普段横浜港に停泊していることから、耐震バースでの訓練開催となった。
ドローンで捜索活動も
訓練は神奈川県沖でマグニチュード8・5の大地震が発生し、通信設備が甚大な被害を受け横浜の中心エリアで携帯電話が使えなくなるという想定で実施された。
車載型の基地局や孤立地域で使える可搬型基地局などの設営と並行して、海上保安庁の巡視船から船舶型基地局用の機材が到着。オーシャンリンクへ運搬され、船内で基地局を設営した。KDDIによると、この船舶型基地局で20Km圏内の通信をカバーできるという。
このほか、KDDIが開発した、携帯電話基地局の機能を持ったドローンが被災地域を飛び、携帯電話からの信号を受けることで行方不明者の捜索活動に役立てる訓練も実施。ドローンが取得した情報をもとに西消防署の救急隊が駆け付け、倒壊した住宅から被災者を救出した。
※耐震バース
バースの中でも、緊急物資等の輸送ができるよう耐震性を強化したもの。みなとみらいの耐震バースは1982年の時点で当時の港湾計画に明記されていた。幅260mで、水深7・5m。ヘリポートを併設し、直下型地震発生時の食料、毛布などの輸送拠点として位置付けられている。
中区・西区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>