横浜市は市営地下鉄阪東橋駅や京急黄金町駅付近の地区でバリアフリー化を進めるための検討協議会を7月2日に立ち上げた。地域住民の代表や施設関係者が実際に現場を歩きながら、駅や公共施設、商店街などを歩きやすく、使いやすくするための案を検討し、2015年春までに基本構想を国に提出する。
06年12月にバリアフリー法が施行されたことを受け、市は高齢者や障害者、妊婦、けが人などの移動や施設利用の利便性、安全性の向上を目指し、バリアフリー施策を推進している。すでに03年から関内地区などでバリアフリーの基本構想策定に着手。各区1地区の策定を目標にしており、これまで15地区で策定やそれへ向けた準備が進められている。
事業者に実施義務
構想は市側と事業者が協議した上で決定。バリアフリーへ向けた特定の事業はおおむね5年後までを目標に実施する義務が生じる。
10年から検討を開始し、今年3月に構想を策定した金沢文庫駅・八景駅周辺地区では、区役所付近に視覚障害者用の誘導ブロックを設置することや銀行の店内に手すりを設置することなどが盛り込まれた。
区庁舎移転を考慮
南区では16年に区庁舎が浦舟町に移転することや、周辺に市大センター病院や複合福祉施設など、病院、福祉関係施設が多いことから、阪東橋駅、黄金町駅周辺を地区に選んだ。
今回設置された検討協議会には、お三の宮、中村、寿東部、太田東部の各地区連合町内会長や障害者関係団体の代表者のほか、商店街や京急、市営地下鉄の担当者など35人が地区部会委員として名を連ねた。部会長には、建築計画の専門家である横浜国大の大原一興教授が就任した。
商店街も対象に
7月2日の第1回協議会では、市側から同地区の人口や公共施設の状況が説明された。それに対し、委員からは「駅のトイレ内におむつを替えられるベッドがあれば」「車いすでは商店街の店舗が利用しづらい」などの意見が出た。今後、実際の現場を委員が歩くことも予定されている。
10月ごろに行う次回の協議会では、バリアフリー化を図る経路や施設の検討を行う。来年春ごろには、市民から地区内のバリアフリーに関する情報や要望を募集する予定。その後、事業者と対応策を調整し、最終的には15年春までに基本構想を国に提出する。
部会長の大原教授は「基本構想を検討する中で、住民が自分の地域をバリアフリーの観点から見直してほしい」と話し、策定には区民の意識を高めることが重要との認識を示した。
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