市立横浜総合高校(天野真人校長)が中区から南警察署そばの旧大岡高校跡地に移転して1年が経った。県内初の三部制高校として注目される中、地域との関係作りを重視し、つながりを深めてきた同校。整備された新校舎で生徒の学習意欲にも変化が見られる。
同校は横浜工業高、港高、横浜商業高校定時制の3つの市立高を再整備する形で2002年に中区で開校。校舎の耐震性などの問題から昨年9月、大岡に移転し、新天地で授業が始まった。敷地面積は旧校舎の倍以上になり、校内には生徒が自由に使えるラウンジスペースなどが設けられた。天野校長は「生徒の表情が明るくなったように感じる」と印象を語る。また、生徒の単位の修得率が上昇傾向にあり、移転は生徒の学習意欲にも良い影響を与えているようだ。
商店街・町内会と交流
移転前の場所はオフィスビルなどが立ち並び、地域交流が図りづらい環境だったが、校舎移転が決定した10年4月から、地域との関係作りに積極的に取り組んできた。同年、秋の文化祭では、生徒と弘明寺商店街のメンバーが綿菓子を共同販売するなどして交流。移転後は商店街のイベントへの参加や清掃作業、区職員らと一緒にごみ削減を呼びかけるキャンペーンにも参加した。天野校長は「地域に学校が溶け込めるかが最大のテーマだった」と期待と不安が入り混じった1年であったと振り返る。また、「次第に地域の方に呼びかけていただくことが多くなった。生徒への教育の一環として、温かく指導していただいている」と絆が強まったことを強調する。
「生徒の裾野、広げたい」
今年6月には、同校「うた部」の生徒が大岡第二町内会の住民を学校に招き、合唱を通して交流。部活動単位での交流も行われた。同町内会の山本順三郎会長は「生徒と言葉を交わして力をもらい、『若返った』という声も聞かれた」と話し、今後は地震などの災害時に学校と町内会が助け合う関係を築きたいと希望を膨らませる。
しかし、現在、こうした地域との交流活動に参加する生徒は、全校生徒(1187人)の約2割。天野校長は、「自発的に参加する生徒の裾野をさらに広げていきたい」と移転2年目の抱負を語る。
教員の巡回も
地域関係が強まる一方で、住民からは生徒が行うごみのポイ捨て、「長時間たむろしている学生がいる」といった苦情も届いている。天野校長は「一部の生徒ではあるが残念なこと。苦情が増えた時期もあり、教員が空き時間に巡回するなどして対策している」という。
同校は9月24日、生徒と学校関係者を対象にさまざまな職業や関連する大学、専門学校などを紹介するイベント「横総未来博」を初開催する予定。”移転2年目”も新たな取り組みを進めていく方針だ。
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