10周年記念の発表会を行った朗読の会『風』の代表を務める 金山 正子さん 六ツ川在住 72歳
”ゆっくリズム”で10年刻む
○…一般に向けには初めてとなる発表会を12月10日に終えた。仲間との半年間にわたる稽古を振り返り、「苦労した甲斐があった」と嬉しそうに語る。詩や随筆、時代小説など、10年間でさまざまなジャンルの朗読を学んだ。「先生が季節に合うものを選んでくれたので飽きがこなかった。そのおかげ」といつも感謝の気持ちを忘れない。
○…盛岡で生まれ、小学3年で親戚がいる南区に移った。井土ヶ谷小に通ったころは「東北なまりの”ズーズー弁”でよく友達にからかわれた」と笑う。中学時代は学習塾で英語への興味を深めた。専門学校を経て、大手電気会社ではタイピストに。英文で書く手紙や書類などを作成し、言葉や文章にふれることが多かった。「本を読むことが好きだった」と振り返る。
○…結婚を機に20代後半で退職。子どもが小学生のころは夫の転勤先だったタイで7年間生活した。帰国後に六ツ川へ。「1人で家にいても仕方ない。口を動かしていれば健康でいられる」と10年前に南区の生涯学級で朗読を始める。その後、仲間と一緒に地元に住む専門講師へ指導を直訴。以降はパワフルな講師に引っ張られ、月2回の活動が楽しみで仕方ない。「自分たちのペースで”ゆっくリズム”でやってきた」としみじみ。「朗読を始めて聞いたという人から『情景が浮かんだ』と言ってもらえた。今回の発表会が一番の思い出になった」と喜ぶ。
○…40年以上暮らす六ツ川の自宅では、彩り豊かな花を育てる。「今年は種から作ってきれいに咲いた」と得意げな表情。地元のテニス部で30年以上プレーするほか、5年前に夫と一緒にゴルフ部に入るなど、アクティブな一面もある。お気に入りの文学は『源氏物語』。「女性の奥ゆかしさが素晴らしい。若い人に読んでもらいたい」と微笑む。次の10年に向け、「グループ名のようにまた新しい『風』が吹けば」と”ゆっくリズム”で歩み続ける。
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