南区内で2015年に発生した火災は37件で、統計が残る1948年以降の68年間で最少だった。これまで火災原因のトップだった放火が大幅に減少にしたこともあり、14年の74件から半減した。南消防署は「地域や学校などに対する防災指導を積み重ねてきた成果」とし、減少傾向が続くよう、消防団や関係機関との連携を強めていく方針だ。
南消防署の発表によると、15年の火災件数(速報値)は37件。97年の43件を下回り、48年に自治体消防(現・市消防局)が発足し、区の統計を取るようになってから最少を記録した。
南区で火災が最も多かったのは62年の190件。60年代は160件前後が続いた。74年以降は100件を下回っているが、近年でも08年に87件を記録。14年も前20年で4番目に多い74件だった。
1996年以降20年間の火災原因のトップは放火。全体の34%を占める。年間で80件を超えた04年、08年はともに放火が半数以上で、放火を防ぐことが件数全体を減らすことにつながるとされていた。
継続指導の成果強調
15年の放火は5件で14年の32件から大幅に減少。1ケタだったのは、81年以来34年ぶりだった。放火が激減したことについて、南消防署は「明確な理由は分からない」と話す。
消防署は地域や事業所、学校などに対する防災指導を15年に約600回行い、約3万4700人が指導を受けた。ほかにも、消防団などの関係機関と連携した出火防止広報を続けているが、これらの活動は例年とほぼ変わらず、消防署は「積み重ねが区民の出火予防、防止意識の高まりにつながった」としている。
死者は増加
15年の火災による死者は4人で14年より2人増えている。こんろやたばこの火の不始末といった家庭生活内の事故が命を落とす火災につながるケースもある。
南消防署の牧島敬行署長は「火災の減少は、みなさんの地道な取り組みの積み重ね。防災指導などを通して出火防止対策を粘り強く呼びかけ、この良い流れを継続できるよう、協力をお願いしたい」と呼びかける。
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