▼南区総合庁舎が花之木町から浦舟町に移転し、2月8日から区役所業務が始まった。15日には土木事務所、22日に消防署が移転し、4月開館の公会堂と合わせて、行政機能が1カ所に集まる。南区にとって最大の懸案が無事に進んだことをまずは喜びたい。1月30日に行われた竣工記念式典と内覧会では約1500人の区民が新区庁舎を訪れた。多くの人がこれまでの倍以上になったフロアの広さや真新しい公会堂に感嘆の声を上げていた。区はこの声を期待と受け止め、業務にあたってほしい。
▼これまで2、5階にあった戸籍課や子ども家庭支援課など、利用者の多い窓口を新区庁舎では2階に集約させた。同時に待合スペースを拡大し、利便性の向上を図った。これらの取り組みが本当に使いやすいものなのか、区は利用者の声を定期的に聞く機会を設けるなどして、前例や習慣にとらわれず、常に改善する意識を持ち続けてほしい。また、従来から進めてきた部署を越えた連携の成果を発揮し、多様な区民の要望に素早く対応できることを期待したい。利用者も「自分たちの区役所」として、ためらわずに意見や要望を伝えることが大切だ。
▼庁舎移転をまちづくりの好機としてとらえたい。移転に合わせ、黄金町駅や阪東橋駅周辺ではバリアフリー化が進んでいる。道路の段差解消などのハードの改善を有効に機能させるよう、区民が集積所のごみが歩道にあふれていないか、商店の前に歩行を妨げる看板は出ていないか――と意識することが重要だろう。区は町内会や学校、関係機関と連携を密にし、バリアフリーを軸にしたまちづくりを推し進めてほしい。
▼まちづくりを進めるには、隣接する中区とのつながりが欠かせない。新区庁舎は南区、中区を横断する大通り公園のそば。桜まつりの共同企画、同公園や大岡川を舞台にしたイベント開催を南区が注力する観光や誘客の取り組みとして検討するべきではないか。官民ともに区を越えた情報共有や連携をさらに進めたい。区の中心部から東部の浦舟町へ移転し、庁舎への物理的な距離が広がる地域もある。区が長年培ってきた自治会町内会を中心とした地域との信頼関係を基に、より良い区役所、まちづくりが進むことを期待する。
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