市立南中学校の生徒と井土ヶ谷小学校、大岡小学校の児童が行う東日本大震災の被災地に使い捨てカイロを送る取り組みが4年目を迎え、今年は2452個のカイロが集まった。子どもたちは、活動を通して復興が進んでいない被災地の現状や支援を継続する意味を知り、震災の記憶を忘れないことを学んでいる。
活動4年目
カイロ支援は、震災を機に宮城県石巻市で活動しているボランティアグループ「みどりの会」の北野順子さんが2012年から行うもの。北野さんの呼びかけに賛同した南中では、同年から生徒会本部役員らを中心に思うように復興が進んでいない被災地の現状を調べ、朝会やポスター、手紙などで全校生徒に支援継続の意味を伝えてきた。
その後、生徒会が大岡小、井土ヶ谷小に声を掛けて支援の輪が拡大。これまでの3年間で約5千個のカイロを被災地に届けた。生徒会本部役員担当の嶋田那津教諭は、「震災から5年経つが、まだまだ支援を必要としている人がいることを忘れないでほしい」と話す。
井土ヶ谷小では今年、運営委員会の児童を中心に支援を呼びかけ、過去最多の1508個のカイロが集まった。大岡小でも2月から校内で呼びかけを開始。取り組みを知った地元住民から「良い取り組みだ」と声を掛けられることもあった。
井土ヶ谷小の伊藤雅代校長は、「6年生は震災当時1年生で記憶がない児童もいる。子どもたちに震災があったこと、対応などを伝えていかなくてはならない」と語り、カイロ支援を通して震災の記憶を風化させないようにしたいという。
「できること」考える
井土ヶ谷小出身で、現在は南中生徒会本部役員の岡本大樹君(1年)は「井土小では古本を集めてお金にする募金活動もあった。カイロ支援はもちろん、さらにプラスして力になれることを考えたい」と話し、支援活動の継続で「自分たちができること」について意識するようになったという。
3校が力を合わせて集めた2452個のカイロは3月中旬に石巻市と女川町に届けられる。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|