「南区さくらボランティアの会」代表で桜の保全活動に尽力する 長井 進さん 六ツ川在住 73歳
信念貫き桜並木を後世へ
○…大岡川の桜並木を後世に残そうと2006年に発足した同会で昨年、代表に就任。会員と協力しながらこれまでに約300本の木の健康状態を確認してきた。「大岡川の桜は太い幹の木が多いのが良いところ」としみじみ語る。同会は4月3日の「南区桜まつり」で毎年親子らに好評な桜の枯れ枝などを利用した木工教室を企画。「地域の方が桜に対する関心を深めることで、保全活動をさらに推進できたら」と希望を抱く。
○…現役時代は国内外にグループ会社を持つ大手企業で医薬品の営業などに携わる。当時は珍しかった在宅医療の必要性を考える研究会を企画するなどし、深夜まで仕事漬けだった。「どうしたら良いのかを考えて企画し、しっかりとした知識を持って臨んできた」とやると決めたことは中途半端に終わらせない信念を持つ。退職後、自宅で植物を育てるなど”自然好き”だったことから同会の活動に興味を持った。桜の名所として有名な都内の桜並木を視察。現地の桜保全ボランティアと情報交換するなどし、積極的に知識を深めた。
○…南区出身で父は国立病院で院長を務めた秀才。医師への道を勧められることもあったが「血を見るとひっくり返ってしまうから」と諦めた理由をユーモアたっぷりに話して笑いを誘う。六ツ川地区連合自治会では家庭防災員の代表を務めるなど、長年暮らす地域のための活動は多岐にわたる。
○…妻が習うウクレレを数年前に始め、現在は夫婦でユニットを組む。南センターのクラブ活動で練習し、「ハワイアンソングを歌っている」と3カ月に一度の発表会では仲睦まじい姿を披露する。大岡川の桜は、昨夏の猛暑の影響か木を衰弱させる「ベッコウタケ」の付着が目立つものもあり、不安がよぎることも。「どのように手を打つか専門的な知識を持って対策し、きれいな桜並木を維持するプランが出来上がれば」。信念を貫き、区のシンボルを後世に残していく。
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