南警察署長に就任した 大森 一延さん 大岡勤務 58歳
強い使命感、いつも胸に
○…3月から南警察署のトップとして指揮を執る。警察官になって初めて勤務した中区の加賀町署時代は堀ノ内町にある官舎で暮らした。異動を繰り返す途中、磯子区の家族寮に住んだこともあり、「(南区の)商店街では子どもを連れて買い物をした。下町の温かい店主の方がいた」と懐かしそうに振り返る。
○…東京都出身で「困っている人を助ける仕事に就きたかった」と子どものころから警察官に憧れた。高校、大学では「正義を体現するには体力を付けることも大事」と柔道を志し、3段の腕前を持つ。卒業後、目標だった警察官になって横浜、川崎、横須賀、相模原などで勤務した。津久井署長を務めていた2年前、まちが数十年ぶりの大雪に見舞われて交通機関がマヒ。車や歩行者が立ち往生する中、住民からの110番の嵐に膝が埋もれるほどの雪道を必死になって現場に向かう署員の姿が今でも目に焼き付いている。「それぞれが強い使命感を持っていた」。幼いころに憧れた「人を助けるおまわりさん」の原点を思い出した。
○…落語やフォークソングが好きで、妻と一緒に舞台やコンサートに出掛けることも。「南区は桜の名所なのでお花見に行きたい」と嬉しそうに微笑む。子どもは3人。孫は小学生から1歳まで5人いる。「会うたびに大きくなる姿を見ていると人の成長の早さを感じる」としみじみ語る。
○…一期一会の出会いや人との縁を大切にこれまで36年、職務を遂行してきた。「県内に1万7千人いる警察官の中で南署の署員と一緒に仕事ができるのは何かの縁」と言い、それぞれが持つ個性や長所を伸ばすことができる職場作りを心掛ける。署長就任前の3月中旬、管内で2件の交通死亡事故が発生。振り込め詐欺の被害は昨年を上回るペースで起きている。「対策を着実に実行して悪い流れに終止符を打つ。そのために全力で取り組みたい」。与えられた使命を全うする。
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