青山学院横浜英和中学高等学校=蒔田町=国語科教諭の細田孝充さん(44)がこのほど、夜間動物救急病院を設立した獣医師たちのドキュメント本を出版した。
本のタイトルは『動物たちの命の灯を守れ!〜夜間動物病院奮闘ドキュメント〜』(緑書房/215頁・1728円)で、2004年に都筑区で開業した首都圏初の夜間専門動物病院「横浜夜間動物病院(現在のDVMsどうぶつ医療センター横浜)」を追ったノンフィクション。
細田さんは3年ほど前、飼っていた犬が夜10時過ぎに怪我をして病院を探していた。電話がつながらず困っていたところ、インターネット検索で同院を見つけたという。
翌日、レントゲン写真を持って磯子区のかかりつけの動物病院に行った際、治療内容などが伝わっていたことに驚いた。「夜間動物病院の設立に関わった人に話を聞いてみたい」と取材を開始。教諭になる前はフリーライターとして1998年の甲子園の名勝負をつづった『ドキュメント横浜VS PL学園』を共著したこともあり、本を執筆した。
獣医師の夢が形に
横浜夜間動物病院は、夜間でも動物を診てほしいという飼い主の声に応えようと獣医師54人の出資で開業された。当時、市内に夜間専門の動物病院はなく、「動物と飼い主の不安を軽減したい」という獣医師たちの夢を形にした病院だ。
本には開業当初の苦悩、動物二次診療センターとなり、DVMsどうぶつ医療センター横浜として地域の獣医療に欠かせない中核病院に発展した様子などが書かれている。細田さんは「動物を飼うことの責任や覚悟、命の大切さを改めて考えてほしい」と訴える。
保護団体へ印税寄付
細田さんは5年前、髄膜性脳炎を患い入院した。1年間のリハビリを経て学校に復職。復職後に「何か社会の役に立てないか」と考えていたところ、病院創立時のスタッフに出会った。「命の大切さを改めて痛感したことが今回の本の執筆につながった。多くの人に読んで頂ければ」と話す。
本の印税は動物保護団体に寄付される。細田さんは人間と動物がともに幸せに暮らせるような社会実現を目指す活動をしていく考え。
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