子どもに無料か安価で食事を提供する「こども食堂」が南区で広がっている。有志らが各地で開催し、反響の大きさから開催を定期化したり、取り組みを知った運営の担い手となるボランティアが増えるなど、活動が広がりを見せている。
こども食堂は貧困家庭や孤食に悩む子どもらに安心して過ごせる場所を提供しようと始まった。現在は子どもから高齢者まで、さまざまな人が集う地域コミュニティとしての役割も担い、全国に広がっている。
南区では昨年6月、市民団体「横浜てらこやネットワーク」が南太田駅そばの常照寺で開催。太田地区の住民らが支援するほか、ボランティアの大学生が参加し、子どもの遊び相手にもなっている。現在は月1回、平日の夜を開催日にしている。同寺の伊東政浩さんは「今後、集まった子どもたちで宿泊合宿をするような企画も考えたい」と話す。
共生・障害者理解も
1月には、堀ノ内町在住の西村末子さんら主婦が中心の有志団体「わいわい食堂」が企画し、睦地域ケアプラザで開催。4回目の開催時は子ども21人が来場し、7人だった初回から3倍に増えた。当初11人だったボランティアも、西村さんの呼びかけで新たに3人が加わった。こども食堂をやってみたいという次の担い手が運営のノウハウを学ぼうと見学に訪れることもある。西村さんは「市外から見学に来た人もいる。広がりがありがたい」という。
障害者を支援する中村町の地域活動ホーム「どんとこいみなみ」が3月に行った食堂には、親子や高齢者、障害者など100人以上が訪れ、世代や障害の有無を超えて交流を図った。企画運営の中心に立つ村山耕介さんは、来場者へのアンケートで「『団らんの場が楽しかった』という声が多かった」と満足度が高かったことを明かす。共生社会や障害がある人への理解につなげたいと話し、5月下旬に2回目の開催を計画する。
南区では大岡や南吉田町などでも定期的に開催される。また、こども食堂という言葉が世間に定着したことで、その他の地区でも実施を計画する動きが見られている。村山さんは「開催後、担い手になりたいという人や食材寄付の問い合わせもあった」と言い、ボランティアの輪が広がったことも成果だとしている。
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