北永田地区社会福祉協議会の会長を務め、新しい活動拠点づくりに取り組む 春山 光則さん 永田東在住 87歳
努力と忍耐で福祉支える
○…子育て世代の親や子ども、高齢者が集う永田の新しい福祉拠点を地元企業の協力を得て、この春に開所した。5月には、10年前に知り合った板金技能士に講師を依頼し、同所で初めてのサロンを開催。20人以上が参加し、銅板画の制作を楽しんだ。「人が集まるか心配だったが安心した」。温かさが感じられたという初のイベントは予定時間をオーバーするほどにぎわい、ほっとした表情を見せる。
○…東京出身。5歳で三春台に移り、太田小に通った。10代半ばの戦時中は航空部隊に配属され、敵軍の気象情報傍受などを担当。兵隊としての訓練は死を意識するほど壮絶だった。「努力すれば限界近くになっても『人はできる』ということを知った」と語る。戦後は電気・空調整備企業で勤務。建設現場での事故が多かったという当時、作業員がけがをしないような安全管理と指導に従事した。定年後に始めた永田みなみ台公園こどもログハウスでのボランティアでも、子どもがけがをしないように安全管理を担当。「現役時代の経験が役立った」と笑う。
○…永田町上第二町内会長を20年以上務めるほか、2010年から2年間は北永田地区の連長に就くなど、活躍の場は広い。40年以上暮らす永田は「人情が感じられる場所」と言い、江戸時代の荷役制度「助郷」の伝承に積極的に取り組む地元住民の”人間味”がありがたいという。地区社協では2年前から会長に。地域作業所の障害者を招いて行う毎年のもちつき大会は「喜んで食べている様子を見ているとやりがいを感じる」と優しく微笑む。
○…妻と息子と3人で暮らす。昨年、肝臓がんを患った後は「前向きに、落ち込まないことが大事」と体調を気遣いながら地域活動に励む。新拠点での活動が始まったばかりの地区社協は「ここからがスタート。地域のためにできることをやっていきたい」。培った忍耐力と実行力で永田の福祉活動を支える。
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