誰もが働きやすい職場づくりを進める事業所を横浜市は「よこはまグッドバランス賞」として認定している。2007年度から始まり、16年度まで130の事業所が認定を受けている。市は各社の事例を紹介し、「働き方改革」へ向けた良い取り組みを広げようとしている。
南区では6社が選ばれている。このうち、複数回の認定を受けたのは、井土ヶ谷下町の電気設備工事業、向洋電機土木株式会社(6回)と唐沢の総合園芸業、横浜植木株式会社(4回)の2社。
在宅勤務の仕組み構築
向洋電機土木は09年から男性社員の育児休暇取得を推奨している。妻の出産前後に男性社員が育休を取り、出産に立ち会うことも多い。また、介護や育児を行う社員に時差出勤を認めている。これらの取り組みにより、全国的には5割に満たない有給休暇の取得率が同社の場合は約9割だという。在宅勤務の仕組みを構築し、工事現場の図面作成などのデスクワークを自宅で行えるようにしている。
同社で職場環境整備を担当してきた横澤昌典さんは「これからは”働きたい会社”から”働き続けたい会社”にしなければいけない。働き方改革は経営戦略として必要なもの」と話す。最近では、同社の取り組みを知りたいという企業や自治体などからの問い合わせも多く、横澤さんは全国で講演している。
離職者の知識活用
横浜植木の従業員は約150人、女性が約3分の1を占める。女性社員が結婚、出産後も働きやすいように、育児短時間勤務や残業制限などの制度を設けている。また、離職した社員を再雇用し、小学校で野菜栽培法を指導してもらうなど、園芸の知識を生かせる場を用意している。
同社は「女性ならではのきめ細やかさが植栽を美しく見せるセンス、技術につながっている」と評価。その結果、受注実績が年々伸びているという。
南区の他の認定事業所は次の通り▽株式会社本田工務店=別所=▽有限会社カギの横浜ロックサービス=中里=▽株式会社グラフティ=二葉町=▽社会福祉法人たすけあいゆい=睦町=
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