弘明寺商店街内のビル屋上を使い、ミツバチを育てながらハチミツを採取する取り組みが進んでいる。活動するのは、今年春に大岡小学校を卒業し、中学校に通う生徒たち。6年生時に授業で行った養蜂を卒業後も続け、地域や商店街と連携しながら活動する。生徒は弘明寺周辺の自然環境についても学んだり、住民と交流を図る中で地域の役に立ちたいという思いが強くなっている。
養蜂活動を行うのは、今年春に大岡小学校を卒業した旧6年3組の中学1年生35人。昨年5月から総合的な学習の時間を使い、ハチミツ作りに取り組んだ。担任を務めていた鈴木暁範さんは「ミツバチを育てることによって、地域の自然を知ることもできる」と授業のねらいを話す。
横浜で養蜂を通したまちづくり活動を進める団体「Hama Boom Boom!」の岡田信行さんらの協力を得て、ミツバチや養蜂に必要な用具を入手し、学校の屋上で飼い始めた。
花の蜜を集めるミツバチの行動範囲が半径2Km以内であることを知った子どもたちは、学校周辺の公園や花のある場所を調べた。同時に花の苗を育てるなど、自然に対する意識が高まった。
最初はハチを怖がっていた子どももいたが、自分で育てることによって、恐怖心がなくなったという。ハチミツの採取にも成功し、町内会長や地域住民に活動の成果を披露してきた。
愛着湧く
当初は卒業後にミツバチを「Hama―」側に返却することも検討していたが、子どもたちから「ミツバチに愛着が湧いてきたので、このまま飼い続けたい」「地域の人のために活動を続けたい」との声が多く出た。
卒業生の大半が南中学校に進んでおり、「Beeぐみプロジェクト」として活動継続を決めた。ハチは大岡小から弘明寺商店街内のドラッグストア「クリエイト」が入るビルの屋上に移され、毎週土曜日に子どもらが活動。現在、約8千匹のミツバチがいる。
9月1日には養蜂場の見学や採蜜体験会を実施。見学者への説明を担当した藤井奏太君は「ハチミツが取れると達成感がある。地域の方に花を育てていただくなど、協力してもらえて嬉しい」と語った。
鈴木さんは「周辺の自然を知り、町内会や商店街の方と交流を続け、地域の一員として、まちのために何かをしたいという気持ちが育った」と子どもの成長を語る。
今後はほかの小中学生や地域住民にも取り組みに加わってほしいと願う。さらに、採取したハチミツを使った商品開発を商店街の店舗に依頼することも検討している。
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